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オバマ氏が15日に大統領令を行使した新たな不法移民法は、推定80万人に条件付きで、米国への一時的滞在と労働許可を与えた。これは、政治的動機であると批判され、ロムニー氏の立場も微妙な状態に置かれている。CBSニュースのベテラン キャスター、ボブ・シーファー氏は、16日、ロムニー氏の選挙キャンぺーン先でインタビューを試みた。

シーファー氏は「大統領に就任したら、オバマ氏の新たな不法移民法を保持するかどうか、あるいは撤廃するか否か」を数回繰り返し聞いたところ、ロムニー氏は明確な返答を頑なに拒んだ。しかし、自分の意志とは関係なく米国へ連れてこられ、不法移民になった子供達には同情するとし、「大統領令ではなく、総括的な移民法を議会で通過させる方法を望んでいた」ことを明らかにした。また、「政治的動機によると思うか」と聞いたところ、ロムニー氏は、「その点については大きな疑問が生じることは確実である」と答えた。

17日『ロイター』は、オバマ政権下で、毎年40万人の不法移民が強制送還されていたため、ヒスパニック系の団体から批判されていて、不法移民に厳しいロムニー氏とオバマ自身の政策とを対比させるためだと述べている。また、ホワイトハウスのアドバイザー、デイビッド・プラウフェは、政治的動機の疑惑を否定し、「地域共同体の安全性を脅かす不法移民の犯罪者と、真面目な学生等を区別する必要がある米国国土安全保障省の「自由裁量決定による執行である」と説明している。オバマ氏は、運命的に不法移民になった子供達を守るドリーム法案を長く支持していたが、「共和党の反対があったため議会を通過していない」と報じている。

しかし、ロムニー氏は、シーファー氏のインタビューで、「本当に大統領が、このような子供達の解決を望んでいるのなら、選挙数ヶ月前ではなく、3年半前に何らかの対策を講じていたはずだ」と述べている。『ロイター』は、ロムニー氏が今年始め、「就労が困難な不法移民は、自ら積極的に自己送還することを望んでいる」と述べていたことも伝えている。

フロリダ州の若手上院議員で、ロムニー氏の副大統領候補者リストの中でも有力であることが噂されているマルコ・ルビオ氏は、このような不法移民に何らかの法的機会を与えるための「ドリーム法案に似たような政策」の制定を予定していたと言われている。しかし、実際のところ、その法案の発表時期も文書提示もなく、またどれ位、共和党の支持を得られているのかさえ明白にされていないため、その信憑性は定かではない。選挙に重要なヒスパニック層にアピールするための戦略であるとの見方もある。ルビオ版のドリーム法案も急に浮上した話であるが、それが事実であったとしても、共和党の反対により10年以上議会を通過しなかった民主党のドリーム法案が、共和党議員によるコピーならすぐ通過するという矛盾した話もないはずである。

オバマ氏の大統領令は「長期的に解決すべき問題を困難にした」とコメントしたロムニー氏は、ヒスパニック系が多い不法移民の子供達の事情も、ヒスパニック人口層の重要性も認識しているはずである。選挙前の大事な時期に、ヒスパニック人口層の反感を買うような発言もできない反面、不法移民に反対する共和党議員とのバランスもあり、ロムニー氏は微妙な立場に置かれているのは確かである。選挙前の大統領令は何かと物議をかもし出しているようだ。

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