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不法移民の強制送還停止を宣言した大統領令は、1週間が経過した今も引き続き波紋が広がっている。21日、ロムニー氏はヒスパニック系の有権者が大勢参加したフロリダでの大会で始めて、移民政策をソフトな口調で慎重に語った。その際、オバマ氏の不法移民強制送還停止の大統領令を撤廃するかどうかは明確に表明せず、「その大統領令を長期的に検討する問題に置き変える」と述べた。更に、もし、「自分が大統領だったら、不法移民の問題を一時的な措置で解決せず、長期的に共和党、民主党議員と一緒に解決していく」と述べた。合法移民に関しては優先的および合理的な方法で強化する方針であると述べたが、不法移民の問題は「公民的に毅然とした態度で臨む」と述べ、具体的な政策を語ることはなかった。

この大統領令の執行後、ヒスパニック系のオバマ氏に対する支持率は66%、一方ロムニー氏への支持率は25%であると言われている。同時に、民主党のオリジナルに近いマルコ・ルビオ氏のドリーム法案も「効力的に抹殺した」したと言われている。当然、様々な反動や批判は免れない。移民問題を専門とする保守派の非営利団体、『アメリカ移民改革同盟(FAIR)』は、「140万人の不法移民に恩赦を与えた」として、「合法移民の労働者を守る」ため、この不法移民の恩赦に反対する声名を行っている。他、一般的に共通した批判は、オバマ氏の大統領令は一時的な解決法にすぎない、「議会交渉の機会を遮断した」ということである。

一方、当日フロリダでの大会に参加した多くのヒスパニック系有権者は、ロムニー氏が何ひとつ具体的な政策を表示しなかったばかりか、「長期的に解決する」、「両党で取り込む問題である」と、ロムニー氏が大統領選に勝利した場合、現大統領令の撤廃暗示も疑わせる発言に、不安感と失望感をつのらせている。特殊な環境下に置かれた若い世代の不法移民問題は微妙であるだけに、オバマ政権の国土安全保障省が提示した具体案(筆者16日「オバマ氏の不法移民の国外追放停止表明」に記載)に比較して、ロムニー氏が、別の選択肢を提示しなかった点は、本人の弱点をつかれる結果になった。また、「議会交渉の機会を遮断した」との批判については、10年以上、反対派がその機会を避けているため通過していない現実を無視して、大統領令の執行後に騒いでも意味がない。いずれにしても、ロムニー氏は具体的な移民政策案を持っていないことを浮き彫りにしている。

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