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21日の『ギャロップ』の世論調査によると、アメリカ人の10人中4人は、ミット・ロミニー氏がモルモン教徒であることを知らない。大統領候補者がモルモン教徒であった場合18%のアメリカ人は、「その候補者に投票しない」と答えている。この傾向はギャロップが調査した1967年から2012年までの45年間で、2007年の24%を除いて大差はないと述べている。1963年から69年までミシガン州の共和党知事であったロミニー氏の父、ジョージ・ロムニー氏は1968年の大統領選で、共和党の有力候補者であったニクソン氏に敗北している。モルモン教に対する国民の印象は、その息子であるミット・ロムニー氏が大統領候補になっている今日の状況と変化がないという。

また、「貴方の支持する党の大統領候補者がたまたまモルモン教信者だった場合、投票しますか」との質問に共和党支持者の場合10%、無党派層18%、民主党支持者24%で、リベラル派ほど、モルモン教徒の大統領候補者に対する否定度が高くなっている。一方、大統領候補がキリスト教徒である場合、「投票しない」と答えた率は17%、プロテスタントの場合18%、カトリックの場合17%の結果が出ている。

1960年のギャロップ調査の記録によると、21%のアメリカ人は、大統領候補がカトリックだった場合、投票しないと答えているが、カトリック信者だったジョン・F・ケネディは、1960年の大統領選に勝利している。当時、ケネディがカトリック信者であったことはほとんどのアメリカ人が承知していたという。今回の世論調査では、ロムニー氏がモルモン教徒だと正しく認識しているアメリカ人はわずか57%、キリスト教などの他の宗教だと答えた率は10%、33%は「全く知らない」と答えている。ギャロップは、モルモン教の大統領候補者に投票しない可能性があるのは、この33%の中に含まれていると推測している。今後数ヶ月間で、ロムニー氏の信仰が知られるようになれば「否定的な要素になる」と予測している。

ギャロップは、歴史的に「黒人、女性、ユダヤ人など候補者の人種や性別に対する抵抗は低下している」傾向にあると報告している。一方、モルモン教の大統領候補者に対する抵抗は、ジョージ・ロムニー氏がモルモン教信者として、大統領選に出馬した1967年と、その息子であるミット・ロムニー氏が大統領として候補している45年後の今日と変化がないことに深い関心を示している。

この世論調査の大事な注目点は3つあると思う。1点目は、有権者の党派別の調査で、共和党支持者が10%で最も低かった理由は、この世論調査が実質された6月7-10日はすでに、オバマ氏とロムニー氏のいずれかに国民の選択の焦点が定まった時期であるからである。2点目は、『ピュー・宗教フォーラム』の調査によると、米国のキリスト教信者は約78%、プロテスタントが51%、カトリックが24%、モルモン教がわずか1.7%であるが、宗教人口層に大差がある割には、上記の各宗派別の不支持率に大差がない点である。3つ目は、なぜ、モルモン教がギャロップの主な調査対象になっているのかという点である。その理由は、モルモン教はスードー・クリスチャン・カルト(擬似のキリスト信仰)だとの偏見があるためである。カルトと呼ばれる宗教は世俗的であるとして批判される場合が多い。

偏見はオバマ氏も同様に経験しており、「オバマは、社会主義者でイスラム教信者だ」と信じている少数派も存在する。しかし、有識者ほどこのような説を否定している。ピュー・フォーラムの調査によると、米国の歴代大統領は98%が何らかの宗教に属しているが、オバマ氏もその例外ではなく、2008年の脱会以前、20年以上シカゴで三位一体原理キリスト教団のメンバーであり、大統領就任前後、ワシントンD. C に新しい教会を探していたことが知られている。宗教界がアメリカの政治に与える影響は底知れないが、61%のモルモン教徒が集中するユタ州を除いて、今回の大統領選で、モルモン教が、ロムニー氏の決定的なマイナス要素になるとは考えにくい。

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