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本日25日、米国最高裁は、アリゾナ州の移民法の大部分を憲法違反とする決定を公表した。全国州立法協議会(NCSL)の情報によるとアリゾナ州の移民法は2010年7月29日から効力を発揮することになっていたが、前日28日、連邦政府の米国司法省はそれを憲法違反とし、最高裁に訴訟を提起していた。オバマ政権は、アリゾナ州の移民法が他州に及ぼす影響と連邦政府の移民法が弱体化することを懸念していた。約2年間、論争的な移民法であったため、最高裁の決定はオバマ大統領にとって大幅な勝利となった。一方、過去に「アリゾナの移民法は、米国のモデルだ」と賞賛したロムニー氏にとって、不法移民問題で、ダブルパンチを受けたような結果になった。

NCSLの説明によると、問題とされていたアリゾナ州移民法の4つの条項は(1)州の警察官が怪しいと思う人物に職務質問を行うことが可能である、(2)州は移民に外国人登録書を要請し、常に携帯することを義務付けることが可能である、(3)帰化していない移民の就労を禁止することが可能である、(4)警察官は、不法移民であることが疑わしい人物を逮捕状なしに逮捕することが可能である。

最高裁はこの4項のうち、上記(1)の条項を除いて、全ての条項を却下した。本日の『ワシントン・ポスト』紙によると、上記(2)と(3)の条項は、移民法に関する「アリゾナ州の権限が紛れもなく連邦政府の移民法の権力を先制している」というのが最高裁判事大半の意見であったと報告している。条項(1)に関し、警察官は特別な事情で呼び止める人物の移民状況を確認するときは、連邦政府と連携を取る必要があることを明白にした。

資金集めでアリゾナ州に滞在していたロムニー氏は、最高裁の決定に反応し、「特に、連邦政府が責任を果たしていない時は、各州は境界線の安全性を強化し、法を保持する義務と権利がある」と語り、オバマ氏は「移民問題でリーダシップが欠けている」と批判した。本日の最高裁の決定は、全面的に連邦政府の移民法の権限を尊重する立場を明確にし、15日にオバマ氏が宣言した不法移民の大統領令をバックアップする形となった。しかし、アリゾナ州の移民法を支持していた州にとっては、かなりの打撃を受ける結果となった。今後、連邦政府の移民問題に関する責任の追求は、特に不法移民取締り強化と人権尊重のバランスを考慮する必要があると思う。

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