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オバマ大統領は本日(7月5日)から、バス・ツワーによる本格的な選挙キャンペーンを開始した。最初の訪問地は、オハイヨとペンシルベニアである。これらの州は、オバマ、ロムニー両氏に最も重要な無党派層の区域である。現在、オハイヨ州の失業率は7.3%、ペンシルベニア州で7.4%で、全国平均8.2%より低い。テレビ・インタビューを通してこれらの州の有権者の選挙意識を観察すると、「現在仕事があるから、オバマに投票する」と答えた人達もいる。一般的な有権者の心理とはそんなものかもしれない。米国の失業率8.2%、あるいは約1300万人が就労できない現状は、当分続きそうだ。

昨日の『AP通信』は、32名の個人・企業の経済学者および、大学教授など、各分野の経済学者らの考察をまとめた独自の調査報告を発表した。そのような専門家らの分析によると、米国の失業率は2016年まで改善しないことが予測されている。米国の場合、健全な失業率は、5%から6%くらいであるが、6%まで減少するには3~4年かかるそうだ。8.2%は、再選に挑む大統領としては戦後もっとも高い失業率であり、第二次世界大戦後、最も長期化している。APの調査によると、56%の経済学者は失業率が6%まで減少するのは2016年頃だと予測し、31%の専門家は2015年頃だと推定している。また、仕事を探すことを諦めた人達は、失業率に含まれないため、実質的に失業状況を改善することは難しいと判断する経済学者もいる。

更に、経済成長は引き続きスローであり、GDPは年間2%程度で、4月に予想された2.4%より減少しているが、今後6ヶ月間で2.3まで上昇することが予測されている。雇用の拡大についても、4月の経済学者の予測では、月平均189,000の仕事が追加される予測であったが、今年下半期の推定雇用増大は月平均139,000になると修正されている。経済学者は「経済成長が低調ぎみであるため、経営者が雇用機会を拡大するほどではない」と指摘。

連邦政府の税制および負債・赤字対策に関する、これら32名の経済学者の意見は多様である。オバマ政権は、前大統領ジョージW.ブッシューの永久減税を数回延長してきたが、来年の1月で期限切れになる。そのような現状で、議会で何らかの合意に達しない場合、ブッシュ大統領以前、つまりビル・クリントン時代の税率に戻るため、結果的に発生する「増税と出費の削減が最大の脅威になる」ことを懸念するグループもいる。また、消費者、企業、政府全てが負債を減らす為、出費を削減しているが、これが経済の「悪循環」であると指摘する経済学者もいる。「消費者が出費を削減すれば、企業の歳入が減少し、企業は雇用を減らす」傾向に向う。「雇用が減少すれば、給料の出費も減少する」傾向を分析。ノーベル賞経済学者、ポール・クルーグマンも経費節減など、現在連邦政府が強調している「節約」ムードは、同様の理由で「悪循環」である説を支持している。また、APによると、アメリカの低迷した経済には、「経済刺激政策が必要であるが、政府の出費と赤字予算を長期的な観点で抑制する必要がある」とする意見もあるようだ。

いずれにしても誰が大統領になろうと、就任直後に雇用と経済改善のプレッシャーを感じるはずだ、と経済学者らはすでに推測している。オバマ氏が経済不況は自分が受け継いだものだと述べたように、「ロムニー氏も、もし大統領に就任したら、同じことを言うだろうと」と経済学者らは推測している。

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