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最近チックフィレイの同姓愛者間結婚論争の波紋が広がり、今月から、反対派と支持者双方のデモ運動が展開されている。チックフィレイは、ワシントンDCおよび35以上の州に1600以上のチェーン店を持つ米国最大大手のファースト・フード・レストランである。論争の発端は、その社長ダン・キャシイ氏が公的に同姓愛者間結婚を否定する発言をしたことである。キャシイ氏は、聖書による結婚の定義およびキリスト教の信仰に基き、結婚は男女間の結合であると、同姓愛者間結婚を否定したため、ゲイの権利を主張する活動家とキャシイ氏を支持する宗教グループとの紛争に発展している。最近の世論調査が示す通り、大半の米国人は同姓愛者間結婚を支持しているが、ゲイの権利に反対する宗教団体の圧力も根強い。

5月3日の『ギャロップ』の世論調査では、18歳から34歳までの世代で同姓愛者間結婚の合憲性を支持している率は66%に達している。チックフィレイで働く多くの従業員も例外なく、同姓愛者間結婚を支持している若い世代であると言われている。チックフィレイ論争の要点は、キャシイ氏を支持する人達が、米国憲法改正法第一条に基き、言論の自由があると主張し、一方、同姓愛者を支持する人達は、レストランで食べない、チックフィレイの食べ物を買わないなどのボイコットを提案、または扇動していると伝えられている。キャシイ氏の支持者は、ボイコット行為は、その言論の自由を侵害する行為だと反論。一方、同姓愛者を支持する一部の政治活動家は、フェイスブックに全国的なデモ運動を企画して参加を呼びかけている。

同姓愛者を支持する複数の市長やキャシイ氏を支持する政治家もコメントを表明するなど、論争は白熱している。シカゴ市長のラーム・エマニュエル氏は「チックフィレイの価値観は、シカゴの価値観ではない。我々の住民、隣人、また家族のメンバーに対して敬意的ではない」と短いコメントを述べた。サンフランシスコのエドウィン・リー市長はツイッターでチックフィレイを批判し、ボストンのトーマス・メニーノ市長は、キャシイ氏に直接手紙で抗議し、ボストンへの進出を思いとどまらせるような内容のメッセージを送ったと伝えられている。一方、2人の信仰深い、元共和党大統領候補のリック・サントラム氏および、マイク・ハッカビー氏は、支持者にもっとチックフィレイで食べるよう促す声名を行っている。支持者がどれほ売り上げに協力し、逆にどれだけボイコットがあるのか不明であるが、チックフィレイは1日の水曜日に記録的な売り上げがあったと報じている。

個人およびグループのボイコットは、その理由に関係なく自由であり合法的であるが、政府または、政治家がボイコットを奨励したり、政治家の立場から異論者のビジネスを阻止することは非合法である。問題は、ボストン市長がキャシイ氏に対し、ボストンへのビジネス進出計画を阻むようなメールを市長の立場で送ったのかどうかである。このような状況に政治家が過敏に反応すると、問題は複雑になるばかりである。しかし、疑問に思う点は、チックフィレイは、その文化的社風と、同姓愛者間結婚を支持しない宗教的思想は、すでに公的に知られている。しかも、同性愛者を支持する世論が高まっている時代に、わざわざ再度その立場を明確にする目的は一体何か?キャシイ氏は、宗教、思想的なことに頑固な偏見を持つ単なるビゴット(偏屈者)なのか、それとも、意図的にメディアを自社の宣伝に利用したのか不可解である。いずれにしても、同姓愛者間結婚に対する宗教団体の圧力は依然として根強く、大半の州が、その州法で同姓愛者間結婚を非合法としている現実を再認識させられる。

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