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ロムニー氏はシカゴの選挙キャンペーンで、オバマ氏は最近、1996年にビル・クリントン前大統領が署名した福祉改革法を撤廃するつもりだと述べた。オバマ氏の福祉政策は、就労せず、職業訓練も受けない貧困者が中級階級の税金に頼る「福祉依存文化」を助長させると批判。ホワイトハウスのスポークスマン、ジェイ・カーニイ氏はロムニー氏は意図的に誤まった情報を伝えていると反発。8日の『NPR』は、オバマ氏の意図は、各州が福祉対象の国民を効果的に就業させる努力をしている限り、福祉対象者の就労条件に柔軟性を持たせて「ある一定の就労条件を除去する」というのがオバマ氏の意向であると報じた。

ロムニー氏は、オバマ政権下では福祉対象者は働く必要はなく、中級クラスの税金で貧しい国民にフリーパスを与えるつもりだと誤まった情報を支持者に伝えた。ロムニー氏は今年の2月、貧しい階級には「安全ネットがある」また、「貧困層の心配はしていない」と発言したため、拡大解釈した国民が猛反発。その後、「ロムニー氏は低所得層には関心がない」と頻繫に言われるようになった。おそらく、「安全ネット」とは福祉を意味し「福祉があるから心配していない」と言いたかったのではないかと、その当時思った。しかし、クリントン氏の福祉政策に柔軟性を与えるとするオバマ氏の提案を歪曲して伝えた為、現行の福祉制度の目的を理解していないような印象を与えた。

米国の福祉制度は、1930年代の世界経済恐慌時代に、貧困層および低収入または無収入の国民を対象に制定された。1960年代に導入されたフード・スタンプ、メディケイドなどの医療保険、連邦および州の住宅給付などの福祉プログラムは1990年代まで連邦政府の管轄であった。しかし、一般的な国民には支持されておらず論争的であったため1990年代に福祉の構想は著しく変化した。福祉の反対論はどの国も同じようなもので、働く動機を損なうとする見解があることや、納税イコール貧困者への福祉をイメージし、抵抗を感じる国民が多いからである。1996年、ビル・クリントンは、そのような社会風潮に対応するため、福祉資格者は一定の期間に就労することを条件とし、福祉の権限を各州に委ねる新たな法に署名した。

現在、最も多くの州で利用されている福祉プログラムにフード・スタンプやメディケイドなどがあるが、これも必要な家庭に一時的に援助するシステムである「Temporary Assistance for Needy Families (TANF))を通して、連邦政府が各州に援助している。この援助金で利用できる福祉の種類や規模の設定も各州によって異なる。『CNBC』ニュースの調査によると現在、最も福祉に頼っている率が高いのはカリフォルニア州である。最新の米国国勢調査局の統計によると、カリフォルニアが最も人口が多く、少数派の多民族が多いことが要因ではないかと思われる。カリフォルニア州の福祉の対象者は全米で最も高く、人口の3.30%で、2番目がメイン州の2.37%、3番目がテネシー州の2.15%になっている。この数値は失業率が高い割には、意外にも低い数値である。

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