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今日8月15日から、不法移民の滞在および就労許可の申請書受付が開始した。ちょうど2ヶ月前の6月15日、オバマ大統領は、不法移民の強制送還停止を求める大統領令を発表した。この大統領令は、一時的な緊急措置として、犯罪者を除き、一定の条件に達している不法移民に2年間、合法的に滞在および就労できる許可を与えた。

本日の『シカゴ・トリビューン』によると、今回申請する不法移民はイリノイ州だけでも9万人、全米で120万人が推定されている。申請資格者の条件は、1981年6月15日以降に誕生し、16歳以前にアメリカに移住し、高校を卒業している者、又は在学中である事、軍隊から名誉除隊した者、また、性的虐待や薬物違反の軽犯罪を含む一切の犯罪歴がないことである。申請料465ドルを支払った後は、原則として、今後2年間一時的な合法的滞在と就労が可能である。しかし、6月15日の大統領令後、議会はドリーム法案を通過させることもなければ、移民法の改正もしていないため、永住権や市民権につながる可能性は考慮されていない。

13日の『ニューヨーク・タイムス』紙によると、資格者は、社会保障番号および運転免許証も取得できる。更に、必要に応じて、専門家の証明書や大学の財務援助も受けることが可能になる。米国市民権移民サービスは、300万人以上の不法移民が恩赦を与えられ、合法的な住民になった1986年以来、今回の新たなプログラムのため、短期間で増える事務作業は相当な量になる事を予測している。

11日、副大統領候補になったポール・ライアンは移民問題については、ロムニー氏と同様、独自の政策を持っていないが、不法移民に対する政策が温厚路線から強硬路線に段階的に変わっている共和党に随従している点が顕著である。ジョージ・W・ブッシュ政権は現在のオバマ政権と似たようなプログラムを制定していた。ブッシュ政権は、米国人が嫌がる農業に従事してもらうため不法移民をゲスト労働者として、3年間合法的な滞在資格を与え、一定の条件を備えた労働者に、永住権を申請できる機会も与えた。8月14日の『ワシントン・ポスト』紙によると、ライアン氏は、ブッシュ政権のゲスト労働者プログラムを支持し、農業に従事する一定の不法移民が一時的に滞在することを許可する法を支持していた。2005年には、ユタ州共和党の連邦下院議員、クリス・キャノン氏が提唱した、一定の条件を満たす不法移民の一時的な在住許可と、その後永住権を許可する法案に共催している。しかし、2009年には、永住権の許可部分を削除し、農業分野で不法移民を一時的なゲスト労働者として、合法的に滞在させる改正法に共催した。

9・11後、不法移民法に関して米国が最も懸念する問題は国家安全保障である。オバマ政権は、過去3年間で約120万人の不法移民を強制送還している。オバマ政権が優先的に行ってきたことは、国家安全保障の為、犯罪者を国外追放し、不法移民の犯罪者を減少させることである。また、自分の意志に関係なく幼少の頃、不法移民の親と米国に移住した真面目な移民と犯罪者を明確に区別することである。この点ではオバマ氏と同様、ライアン氏も、不法移民犯罪者の強制送還については、ブッシュ政権時代から積極的な立場である。ライアン氏の出身地ウイスコンシン州は、農業分野での不法移民の労働需要が高いため、数年間の条件で一時的な合法滞在を許可することには同意しているが、永住権、また米国市民権を与えるドリーム法案には断固反対している。ライアン氏と同様、大統領の不法移民政策に難色を示す人達は、このような一時的な措置が最終的には永住権の「裏ドア」になると懸念している。

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