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15日、『CBSニュース』は、94歳の白人女性、ビー・ブックラーさんが、最近有権者ID法に反対し、    「運転免許証を 所持していないから投票できない」という理由で州の裁判所に訴訟を起こしてい たことを伝えた。彼女は、「これまで、大統領選挙の投票をしなかったことは一度もない。選挙は全国民が投票できるような体制を奨励すべきなのに、できないように仕向けるのは民主主義に反する。 信じられないことだ」と述べていることを報じた。

過去数年間で有権者ID法を制定した州は約10州あり、ペンシルベニア州では最近有権者ID法をめぐって裁判での論争が続いている。昨日、同州の連邦裁判所の判事、ロバート・シンプソンは、共和党が制定したこの法を支持する判定を下した。シンプソン判事は、写真付きIDを保持しない有権者はペンシルベニア州で約8万人いると推定していて「合理的、非差別的であり、ID入手にさほどの負担はない」と述べている。一方、この意見に同意しないアメリカ自由人権協会(ACLU)や弁護団側は、州の最高裁に上訴する構えを見せているが、最高裁が選挙前に判定を下すかどうかは不明なようだ。

15日の『ワシントン・タイムス』によると、共和党の州下院内総務マイク・トルーザイ氏は、有権者ID法が11月の選挙でミット・ロムニー氏に有利になると発言していたことを報じた。2008年の大統領選挙で、ペンシルベニアの投票結果は、オバマ氏がアリゾナ出身の共和党大統領候補だったジョン・マケイン氏を10%リードし当選している。共和党議員がロムニー氏の勝利と有権者ID法との関連性を裏付ける発言をしたことで、反対派は、IDを所持しないのは老人、マイノリティ、身体障害者、若い世代などが多く、これらのグループはほとんど民主党寄りであるため、投票を阻止することを目的にした法であると猛反発している。

同州では、ほぼ全員の民主党議員が有権者ID法の制定に反対したが、共和党知事、トム・コーベット氏の署名に至った。ID法制定の目的は、投票詐欺または不正投票を防ぐことであるとされている。しかし、ACLUや他のグループは有権者ID法は、特に低収入やマイノリティの住民の「投票権の略奪」であるとして上訴するようだ。15日の『AP通信』によると、州政府の弁護士らは、投票不正が過去に発生した事例は一件も認めていないため、有権者ID法の不正防止の目的はほとんど意味がない。従って、反対派はこの法を「オバマを破り、ロムニーを助けるための党派的な策動だ」と解釈している。投票詐欺について研究しているニューヨーク大学法学部のブレナン公正センターも「投票の不正は極端に稀である」と述べている。

オバマ政権の司法省は、この法に注目し、ペンシルベニア州の役人に情報を提供するよう依頼していると『ワシントン・タイムス』は報じている。重要な無党派州ペンシルベニアでは、最近オバマ氏への支持率が50%以上で、ロムニー氏の支持率を10%以上リードしている為、この州での当選がほぼ確実になることが予想されていた。有権者ID法に反対するACLUや弁護士グループが州最高裁に上訴しても、選挙前に判定が下るかどうか不明なため、「共和党先導の有権者ID法」が制定されたことで、11月6日の投票日前後に何らかの混乱が生じる可能性がある。

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