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アリゾナ州の女性知事ジャン・ブリューワーは、不法移民問題に関して、オバマ大統領と抗戦する構えを見せている。6月25日、米国最高裁はアリゾナ州移民法の大部分を憲法違反とする判定を下したばかりで、まだ記憶に新しい。今度は、6月15日の大統領令に知事令で対抗し、オバマ大統領が2年間の滞在と就労を許可した不法移民の運転免許証の資格を略奪する策動に出た。

オバマ大統領令の強制送還停止命令により、全国各地でこの恩恵を受けた不法移民の若い人達は、8月15日から、2年間の滞在と就労許可の申請を開始した。一方、同日、アリゾナ州のブリューワー知事は、このような移民の運転免許証申請を禁止する緊急知事令を発表した。17日の『ナショナル・パブリック・ラジオ』(NPR)によると、同州の不法移民は公的恩恵を受ける資格はないとして、運転免許証や他の給付停止を公務員に命じた。アリゾナ州は、メキシコとの国境に近い理由もあって、不法移民が多いことは知られているが、NPRによると、同州の不法移民の規模は全国の10番以内に入り、その数は8万人と推定されている。ブリューワー氏は、アリゾナ州の予算に著しい影響があると述べている。

同日の『ディリー・ビースト』紙は、ブリューワー氏はオバマ大統領の不法移民にたいする一時的措置を「裏ドアの恩赦」と考えていて、オバマ大統領の措置を妨害する意図があると述べている。また、大統領の一時的な強制送還の停止は、米国の合法的な滞在を意味するものではないとの理由で、アリゾナ州の不法移民8万人の運転免許証、州発行のIDカード、他の公的給付の停止を命令したと報じた。運転免許証発行の禁止は、アリゾナ州の不法移民にとって悲惨な状況になる。網目のような郊外に囲まれた大都市フェニックスでは交通手段に限界があり、通勤は車を運転する以外に方法がないと伝えている。

同紙によると、この知事令が発行された翌日の16日、アリゾナ州議会の前で抗議デモが行われた。アメリカ自由人権協会(ACLU)、アリゾナ州の移民弁護士、および活動家などはブリューワー氏が連邦政府の移民法とアリゾナ州の運転免許証の法律の関連性を理解していないと考えているため、多数の告訴が続出する可能性がある。移民弁護士らは、大統領令は2年間の合法的滞在と就労を許可しているため、どの州でも運転免許証を受理する資格があると抗議している。運転免許証をめぐる論争は、「合法的滞在」と「合法的地位」の概念の解釈にも相違があるようだ。アリゾナ州の運転免許証発行の条件は、連邦政府の移民法に基き「合法的滞在」者に資格があり、同州の運転免許証法は「合法的地位」を条件としていないということである。しかし、ブリューワー氏は、このような用語を交互に使い、アリゾナ州法では如何なる理由があっても不法移民の合法性は認めておらず、あくまでも大統領令とその措置に対抗する構えを見せている。

4月5日の『CNNニュース』によると、米国内国歳入庁(IRS)長官ダグラス・シャーマン氏は、不法移民も税金を支払ことが市民権獲得の最善の方法だと述べている。社会保障番号を取得していない移民は税金を支払うことは出来ないが、社会保障番号と納税者名が一致しない税金申告書が毎年発生している。IRSが調査した結果、雇用主が従業員の年間給与と源泉徴収税額を報告する申告書から、2003年だけでも880万ドルが不法移民によって支払われていることが判明している。「アリゾナ州の予算に影響がある」と述べているブリューワー氏は、就労している不法移民も所得税や社会保障税を支払っている事実を考慮していないようである。大統領令で就労許可を与えられた彼等に対する運転免許証取得の阻止は、同州にとって、その合理性と生産性はほとんどないはずである。

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