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ロムニー氏に対する米国民の評価は、明らかに民主党全国大会以後、低下傾向が続いている。その理由については様々な原因が考えられる。

まず、民主党全国大会は、両党の政策の違いを明白にしたため、国民はロムニー氏が極右に偏っていることを理解するようになったのではないかと思われる。平均的な米国民は、移民問題、税金、および中絶問題などに関する極端な政策を敬遠する。ロムニー氏は「オバマケア」の撤廃を公約したことで、これに近いと言われる自分自身の医療保険法であった「ロムニーケア」さえ放棄し、メディケア、メデイケイドを脅かしている。これらの政策に関して温厚派の立場を放棄したため、穏健派時代に支持していた有権者、特に女性、ヒスパニック系アメリカ人、他少数派の支持を失っている。

次に、ロムニー氏の選挙献金者は少数の富豪者ばかりで、その額も大きいが、オバマ氏への小額貢献者は草の根式で、より幅広い国民が支援している。9月20日の『ニューヨーク・タイムス』紙によると、8月にオバマ氏が集めた資金は1000万ドルであったが、ロムニー氏は700万ドルであったと報告している。ロムニー氏は、1%に属する金持ちであるため自己資金力は優れている。しかし最近、資金不足が懸念されている割には自分のお金を使わないと言われている。25日の『ロイター』は、ロムニー氏は歴史上初の富豪者の大統領候補であるが、「自分の個人の富を選挙キャンペーンに使うことを拒否している点が、キャンペーンのミステリーである」と報じている。一方、オバマ氏は、自分のお金を自分の選挙キャンペーンに寄付したことは既に伝えられている。ロムニー氏の場合、キャンペーンに対する真剣さを感じさせない点がマイナス要素である。

また、ロムニー氏は、失言が多いことで有名であるが、3つ目の理由は、5月の個人的な献金活動の席で、「47%の国民は税金を払っていない、自分の仕事はこの47%の国民を心配することではない」と述べているビデオが10日前公開されたことである。その後、大多数のメディアが問題となっている発言を紹介したため、現在でもその反響は続いている。ロムニー氏のその発言は、自身の選挙キャンペーンに「大きな打撃を与える」と、元大統領のビル・クリントン氏は述べている。9月25日の『ロスアンゼルス・タイムス』によると、インタビューに答えた47%を自称する国民は、「ロムニー氏は自分達のことには関心がない」と感じている。その為、未決定の有権者がロムニー氏から離れる決定的な要因になったことが指摘されている。

最近の支持率や選任者獲得予想数の結果は、少なくとも上記3つの要因に関連性がある。オバマ大統領の勝利の予測が顕著になってきた要因は、国民がオバマ氏に必ずしも満足しているというわけではなく、対抗者のロムニー氏に疑問が多すぎるからである。特に、重要な政策に対して、立場を変える傾向があるため安心感と信頼性の面で不安定である。

以上のような事を反映してか、オハイヨ州で勝利しない候補者は勝利した歴史がないと言われる同州ですでにオバマ氏は10ポイントもロムニー氏をリードしている。また、本日の『ニューヨーク・タイムス』紙によると、19日以降、オバマ氏の当選のチャンスは81.9%、一方ロムニー氏の当選のチャンスは18.1%である。しかし、これは圧勝を意味しているわけではない。更に、有権者ID法の難関もあるため、幾分拮抗した投票差で勝利するとの見方が一般的である。民主党の元下院議長の女性リーダー、ナンシー・ぺロシは、有権者ID法問題に関し、前向きな姿勢で「アガナイズ〔苦悶する〕よりオルガナイズ〔組織化する〕」ことの重要性を昨夜のテレビ番組の出演中語った。

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