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5日の労働統計局の発表によると、米国の9月の失業率が7月の8.1から7.8%に減少した。経済状況、特に雇用統計に関しては、大統領選挙に直接影響があるため、リベラル派と保守派の世論は二分するのが通常である。前者はオバマ氏に有利であると考え、後者は健全な失業率は6%レベルであるとし、オバマ氏の経済評価に厳しい。前者が楽観的である理由は、失業率8%以上の経済状況で再選された大統領は存在しない、という歴史上のマジック・ナンバーの枠から外れたからである。後者は、ロムニー氏同様、オバマ氏は、まだまだ雇用回復に努力していないと批判的である。

統計の背後にある、実際の雇用状況はどうなのかを知る必要がある。保守派のメディアで知られる『フォックス・ニュース』は、5日、労働統計局のデーターを分析し、失業率が低下した要因について、フルタイムの雇用は、実際には先月落ちているが、パートタイム雇用が飛躍的に増加したため、合計雇用率は上昇したと述べている。また、フルタイムとパートタイムの仕事数は、増え続けている労働年齢人口に追いつかない状況である。結局、労働統計局がパートタイムと分類した仕事は合計114,000増えたということである。しかし、フルタイムの労働者をパートタイムに変える企業が増えているため、「一般的な経済回復基調」にはならないと報じている。

この分析の是非はともかく、現在の7.8%から7.5%以下までの低下を示す10月の失業率統計が6日の投票前に発表されないかぎり、オバマ氏に有利と考えるのは楽観的すぎるかもしれない。しかし、失業率低下の明るいニュースにたいして、前代未聞の陰謀説が台頭。5日の『ワシントン・ポスト』によると、元ゼネラル・エレクトリック社の最高経営責任者で、現在は保守派富豪者の一人ジャック・ウェルチは、この数値に疑いを持つたことをツーウィートした。これに同意したフロリダの共和党議員、アレン・ウエストはフェイスブックを通してウェルチに同意し、選挙前に突然8%以下になったとは、オバマを後押しするため「誰かが数値を操作したのではないか」という陰謀説を唱えた。

これを受けて、労働統計局は、「データーは通常の方法で分析し、一切不法妨害はない」と述べている。同日、MSNBCに出演した、ウェルチは、何の根拠もなく、勘による発言であったことを認めた。特に選挙前は、単なる失業率低下の報告にも、このような奇異な反応があるということは、それなりにインパクトがあることを示唆している。

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