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今年の選挙ではアジア系の議員候補者が急速に増えている。現職議員を含め、36名が今年キャンペーンを開始している。これは2008年の10名程度に比較すると3倍以上の増大である。14日の『ナショナル・パブリック・ラジオ (NPR)』によると、そのうち民主党候補者18人および3人の共和党候補者はすでに予備選挙で勝利し、現在全国の地区を代表して奮闘している。又、彼等の大半は、インド又は日本に何らかのルーツを持ち、民主党候補者である。

近年の新たな現象として、優秀なアジア系の女性も政治の世界へ出進し、政治のランドスケープに変化が見られる。2009年初めて中国系アメリカ人の女性で心理学者の経歴を持つジュディ・チューさんがカリフォルニア州から民主党の米国下院議員として誕生した。また、ニューヨークでは台湾系アメリカ人の女性弁護士グレイス・メングさんが民主党議員として地区から立候補している。更に、共和党では、サウス・キャロライナ州でインド系アメリカ人のニキ・ヘイリーさんが2011年から知事に就任している。

今年5月、多くのメディアは、少数派の出生率が白人新生児の人口を超過し、特にアジア系アメリカ人が収入や学歴の面で優れていることを報じたが、アジア系アメリカ人の政治への台頭は、どの人種よりも急速に伸びている。これは過去30年間でアジアからの移民が急速に増大していることにも相関性がある。CNNの調査では、2010年のアジアからの移民は、全体の移民の36%で、ヒスパニック系の31%を超過している。しかし10年前はアジア系の移民はわずか19%で、ヒスパニック系は59%だった。

『米国国勢調査局』が今年3月21に公表した情報によると、混血も含むアジア系アメリカ人の人口は全体の人口のわずか5.6%である。『全国アジア系アメリカ人調査機関』が3000人を対象に実施した世論調査によると、投票に参加するのは、その中でも50%以下であるという。彼等の大半は民主党支持派で、インド系アメリカ人の70%および、フィリッピン系アメリカ人の30%はオバマ氏に投票すると答えている。総体的には1/3のアジア系アメリカ人はまだ未決定である。NPRによると、アジア系アメリカ人の政治家の台頭が顕著になってきている現状に反して、日系アメリカ人の投票率は、他の人種に比較して低い傾向があるという。その理由は、アジア系アメリカは政治を覚めた目で見ていて、誰が大統領になってもさほど世の中は変わらないと思っているからだ。しかし、チューさんは、アジア系アメリカ人の有権者は、今年の選挙には熱心で6人中5人が投票すると語っている。

現在、日系人で活躍している著名な長老代表者には、現在、米国上院歳出委員長であるダニエル・イノウエ(日本名:井上 建)さんがいる。1963年に初めて、ハワイを代表して米国の上院議員に就任して以来、約半世紀も上院議員に在職している。彼は、第二次世界大戦で元陸軍将校、のちに陸軍大尉として、多大な勲章を授与している。日系アメリカ人でカリフォルニア州サンノゼの市長として1971年に就任し、G.W.ブッシュ政権下で民主党議員として、運輸長官を努めたノーマン・ミネタ(日本名:峯田良雄)さんも日系人の著名な政治家として手腕を発揮している。

このような先駆者の活躍を見習い、アジア系アメリカ人議員候補者らは、アジア系アメリカ人の政治家が増えることを期待している。人口配分からみると、それは難しいのが現状であるが、変わりつつある。アジア系アメリカ人に対する人種差別や偏見も、10年前に比較してかなり緩和している。2001年にカリフォルニア州の第15区から民主党の米国下院議員に当選したマイク・ホンダ(日本名:本田実)さんは、数年前までは、選挙キャンペーンの宣伝に日本語や中国語を使う一握りの政治家に対してあからさまな人種偏見があったが、今年の選挙では、同じような偏見は見られないとCNNに語っている。ホンダさんは幼少の頃、第二次世界大戦中、両親と共に、強制収容所で生活した体験を通して、アジア系アメリカ人が政治の世界で活躍する重要性をますます強く感じるようになったと話している。

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