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今年の大統領選挙は、お互いの敵のイメージにダメージを与える宣伝、資金獲得争いの壮烈さなど、キャンペーンの質は歴史上最悪な印象があるが、昨夜のディベートはその最たるものである。両候補者がそのキャンペーンでお互いを攻撃することは、歴史上珍しいことではないが、有権者に政策を理解させ、コンセンサスを得る努力より、まず相手を批判することにエネルギーを費やしている。しかし、この傾向はともかく、昨夜のタウン・ホール・ディベートで口論となった幾つかの場面には、オバマ氏にプラス要素があったことは確かである。

ベンガジで米国大使館が致命的な襲撃を受けた事件を受けて、現在、オバマ政権は、リビアでの安全保障の強化に関する要請を無視したかどうかが問われている。この件について、ロムニー氏は「オバマ氏の対応は14日間も遅れた」と述べたため、オバマ氏は「翌日、ホワイトハウスのローズ・ガーデンで声名を行った際、『テロ行為だ』と発表した」と反論した。その際、ロムニー氏は、その記者会見さえ把握しておらず、「『テロ行為』と言ったか」と、オバマ氏が嘘をついたような印象を与へ、執拗に追求。オバマ氏は、その記者会見の「原稿を確認しなさい」と反論。クローリー氏は、「確かに、オバマ大統領はそう言っています」と仲裁する場面があった。

また、最近のガソリン価格の高騰が国民の負担になっているが、それがオバマ政権のエネルギー省の責任であるか否かの質問の論争に発展した際、ロムニー氏は、「オバマ氏のエネルギー政策が有効であれば、なぜ今、ガソリンがこのように高騰しているのか」と攻撃し、連邦政府の土地を石油生産に活用していないため、連邦政府の土地の石油とガス生産は減少していると指摘した。オバマ氏は、エネルギー需要は世界的に増大しているため、「前政府より公有地で掘削を拡大し、生産は効率的に伸びている」と反論。また、ロムニー氏のエネルギー政策の変貌ぶりを攻撃した。

また、税金問題でも白熱した論争を展開し、オバマ氏は、ロムニー氏の税政策は、曖昧すぎて「おおざっぱな政策」と批判し、計算が合わないと指摘。しかし、「充分な歳入がなく、数字のつじつまが合わない場合は、20%の削減率をもう一度見直すか」とクローリー氏に聞かれたロムニー氏は、一瞬、どもりながら「もちろん、つじつまは合う。25年間、ビジネスを経営している知人が予算調整を可能にしている。自分はオリンピックで予算調整に成功した。マサチューセッツ知事時代の4年間、予算調整に成功した。数字のつじつまが合わないと言うなら、過去4年間の5兆ドルの赤字はどのなのか」と感情的に反論。本人が出来ることの自信を示したことは理解できるが、「どのような計算方法であれば、採算があうのか」というストレートな質問に、再三聞かれても答えたことがないため、ロムニー氏の決定的なネックになっている。

最後の質問で、「アメリカ国民が自分のことを最も誤解していると思うこと」について聞かれたロムニー氏は、オバマ選挙キャンペーンが実際の自分とは異なるイメージを宣伝している。自分は「全てのアメリカ国民を100%心配している」と述べた。オバマ氏は、「ロムニー氏は家族を愛し、信仰に忠実で、いい人だと思う」と前置きしながら、5月17日、ロムニー氏が個人の献金者に秘密の一室で「国民の47%は税金を支払わず、人生の責任を負わない。このような47%を心配するのは自分の仕事ではない」と語った事実があることを提起し、国のために自己を犠牲にして戦った退役軍人、将来の夢に向って勉強している学生たち、ロムニー氏より高い税金を支払っている勤勉な労働者の47%の成功こそ、国の成功であることを強調したこの最後の瞬間は、オバマ氏がディベートに勝利したことを予期させた。

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