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同姓愛者間結婚を支持するアメリカ人が増えている昨今、同姓愛者に対する差別に関する訴訟も珍しくない。ニューヨークは昨年7月に同姓愛者結婚を合法化している。しかし、1庶民が連邦不動産税に関して、連邦政府の結婚防衛法(通称ドマ DOMA)にチャレンジするのは珍しいケースである。

ニューヨークの第二連邦控訴裁判所は、クリントン政権下で1996年に制定された、「結婚は一人の男性と一人の女性の結合」と定義づけた結婚防衛法は憲法違反であると宣告した。18日の『ロイター』によると、この連邦法に挑戦したのは、元IBMのプログラマーで、現在83歳のエディス・ウインゾーさん。彼女は40年以上、同姓愛者と一緒の生活を続け、2007年に同姓愛者が多いカナダのトロントで結婚した。結婚した2年後に彼女のパートナは 多発性硬化症を患って死亡した。全ての財産を引き継いだウインゾーさんは、連邦法で彼女の同姓愛結婚を認識していないため、連邦不動産税の規定を大幅に超過する363,000ドルの支払請求を受けた。そこで、彼女は、結婚防衛法は差別的な法であるとして、憲法違反であると告訴した。

ウインゾーさんの弁護士は、結婚防衛法は、平等の保護と権利を保証している米国憲法改正法第十四条に違反すると主張した。ニューヨークの連邦裁判所は、第二連邦控訴裁判の一審判決を支持した。ニューヨーク市長のマイケル・ブルンバーグ氏と州の司法長官エリック・シュネイダーマン氏は、「平等に向けた判定」として歓迎している。同州では、同姓愛者間結婚を支持する人達も喜んでいる。

米国では、レスビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、両性愛者(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)の人達を通常LGBTと呼ぶ。このような人達に対する偏見や差別はなくならない。しかし、このLGBTに属する人口層は意外に多い。18日、『ギャロップ』が発表した、12万人以上を対象にした世論調査によると、3.4%はLGBTのいずれかに属すると答えている。全く、属さないと答えた率は92.2%で、4.4%が答えを拒否したため、この拒否のグループの何パーセントかもこれに属する可能性もある。人種別に見ると、黒人が最も多く4.6%、次にアジア系が4.3%、ヒスパニックが4.0%、最後に白人3.2%となっている。性別では、女性が3.6%、男性が3.3%である。また、地域別に多い順から列挙すると、米国東部が3.7%、西部が3.6%、中西部が3.4%、最も少ないのは保守派傾向の強い南部3.2%である。

18日の『ニューヨーク・タイムス』によると、1993年にハワイの最高裁が同姓愛結婚の禁止を憲法違反であると宣告してから、近年に至るまで、ゆっくりではあるが、合法化の動きが広がっている。ハワイは1996年の結婚防衛法を含む様々ないきさつがあり、1998年には、有権者が合法化を拒否したため、合法化に至っていない。従って、歴史的に合法化が現実のものとなったのは、ロムニー氏が知事であったマサチューセッツが最も早く同姓愛結婚を合法化した州である。しかし、ロムニー氏は時代に逆流し、現在、米国憲法で同姓愛結婚を禁止する憲法改正を支持している。一方、2010年以降、世論は著しく同姓愛結婚を支持する風潮が強くなり、上院議員時代から2010年頃まで、男女間のみの結婚を信念としていたオバマ氏は、時流に乗って、今年5月、初めて公式に支持を表明した。

2004年のマサチューセッツ州を先駆に、同姓愛者間結婚の合法化が拡大するようになった。その後、2008年にコネチカット、2009年にアイオワ州、バーモント州、ワシントンDC 、2010年にニューハンプシャー州などが合法化した。その他、2つのインディアン管轄区などが合法化している。カリフォルニア州は、2008年に一時合法化したが、その後、却下され、現在条件付で承認しているだけである。メイン州は、議会に法案提出の選挙を行う予定である。また、ワシントン州、メリーランド州などは同性愛結婚の合法化を州議会で通過させたが、住民投票に委ねる状態である。特に、メリーランド州は、11月の選挙での住民投票が注目されていて、同姓愛結婚の合法化拡大の可能性も注目される。

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