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10月21日の今日は、1960年の大統領選において、ジョン・F・ケネディとニクソンが4回目最後のディベートを実施した日である。アメリカの一般家庭がテレビを通して、ディベートを観るようになったのは、1960年の大統領選挙が初めてである。テレビが米国市場に参入したのは1950年代であるが、90%の米国家庭に白黒テレビが普及するまで10年が経過。この年、大統領候補であったケネディとニクソンの最初のディベートは9月26日であり、この日、推定6000万から7000万のアメリカ人がテレビに釘付けになったと言われている。

ケネディとニクソンの10月21日の最終ディベートは外交政策であった。1950年代のキューバ革命による動乱で1959年、米国と経済上の利害関係があったキューバの独裁者バティスタを革命家フィデオ・カストロが打倒したことにより、米国とキューバの外交関係は急速に悪化する。そのため、当時の大統領候補者の外交政策で最も重要な課題は、キューバのカストロに対する対処についてであった。

テレビ中継による最初の大統領候補者間ディべートは、米史上初めてであっただけに、そのインパクトは大きかった。最初のディベートでは、ニクソンはやつれて疲れたように見え、おまけに、お粗末なメイクアップ顔の汗を頻繫にハンカチで拭くという最悪のイメージを与えた。しかし、実際はひざの感染疾患で、かなり弱っていたのである。一方、新鮮で確信的な印象のケネディは、最初のディベートで優勢に立ち、10月の世論調査では、ケネディがリードした。しかし、選挙の最終段階で、ニクソンはアイゼンハワー大統領の記録を弁護し、ケネディの外交経験不足を攻撃したため、幾分挽回した。投票日直前の人気投票では、ケネディは49.7%、ニクソン氏が49.5%と、歴史上記録的なきわどい拮抗状態であった。

1960年の大統領選挙は、映像の印象がケネディ勝利の一因でもあった。しかし、徹底した政策の論議よりも、テレビ討論はイメージのアピールが狙いである点は、基本的に今日も同じである。初回のディベートで優勢に立ったロムニー氏の例を見ても、画面に反映する政治家の印象の良し悪しは重要であることを示唆している。明日の最終ディベートは、ベンガジでの襲撃、イランの核兵器、中国の不公正な貿易慣行などが予測されている。2回目と同様、オバマ・ロムニー両氏の激しい攻防戦の展開が予期され、未決定の有権者にとって、大事な決定要素になるはずである。

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