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今夜、フロリダ州、ボカ・ラトンのリン大学で開催された最後の大統領候補間ディベートは、1969年からCBSのジャーナリストとして豊かな経験を持つ、ベテラン司会者、ボブ・シェイファーが討論の進行を務めた。選挙まで15日が残された外交政策のディベートで有権者が注目すべき事は、米国の指揮官として、世界のステージに立つリーダーとして、どちらがより優れた外交知識と、ビジョンがあるか、どちらが、強いリーダーシップを発揮できるかということである。

議題の大半は、中東問題に傾倒したが、論争の主要点は、中東政策、アメリカの世界における役割、アフガニスタンの完全撤退、イランの核問題、テロリズム対策、中国の不正貿易慣行などである。このような外交政策のデイベートにおいて、オバマ氏とロムニー氏の決定的な違いは、前者は現役の経験者でオサマ・ビンラディンを打倒し、アルカイダを弱体化させ、更に、イラクとアフガニスタンでの軍事関与を終えたことで、国際的な安全保障に貢献しているとの自信を見せたことである。一方、ロムニー氏は、外交政策の実質的な経験はないため、堅固な外交政策案と知識がないことを明白に示した格好となった。表情にも自信のなさが表れ、落ち着いて確信に満ち、4年間で積み重ねた実践とその真意を具体的に語ったオバマ氏とは対照的な違いを見せた。オバマ氏の圧倒的優勢は必然であった。

アフガニスタンからの撤退に関し、ロムニー氏がこれまで立場を何回も変えていることをオバマ氏が厳しく指摘したことは驚きであった。「最初は、期限付きに反対し、今度は、条件次第だと言っている」と攻撃。おそらく、ロムニー氏は、ライアン氏がバイデン氏とのディベートで主張したように、米軍指揮官のアドバイスに委ね、アフガンの条件次第であることを強調し、オバマ氏の2014年までの完全撤廃に難色を示しているものと思われる。しかし、オバマ氏は、ロムニー氏が過去にイラク戦争に関する意見も変えたとし、ロムニー氏が様々な局面で何回も立場を変えことは間違っているだけではなく、軍隊と同盟国を混乱させる混同したメッセージを送っていると指摘。早急なアフガニスタンからの米軍撤退を願っている米国民の厭戦風潮で、ロムニー・ライアン両氏のアフガン政策が大半の有権者に受けないことは確実であるが、立場を頻繫に変えることは、外交政策に自信がないことを示唆するのみか、世界のリーダーとしての素養を問われる原因になる。

世界に果たすアメリカの役割に関しても、ロナルド・レーガンのモットーであった「強国の平和」を心棒するロムニー氏は、「オバマ氏がアメリカを弱体化している」と指摘し、軍事費の削減に反対する意志を再度明確にした。オバマ氏は、強いアメリカの構築を目指すことは同じであるとしながらも、米国の真の強さは教育、研究分野で米国民がまず磐石であることが優先であるとし、ロムニー氏の予算計画はそれを可能にしない、という経済論争に話がシフトした。しかし、軍事政策の経験を語ることで優位に立ったオバマ氏は、軍事機能と記録に関するロムニー氏の知識の貧弱さを指摘。また、オバマ政権が着実に正しい道を歩んできたことを強くアピールし、ロムニー氏は「間違った無謀なリーダ」であると批判した。

総体的に、今夜のロムニー氏は前2回のディベートで見せた攻撃性がなく、最後の大事なディベートで、完全にオバマ氏に圧倒されたような印象を受けた。CBSによると、ディベート後の視聴者は、具体的、確信的であったオバマ氏が外交政策の知識、経験、更にリーダーシップの側面から優れていたと評価した率は、53%、一方ロムニー氏は23%、拮抗していると答えた率は24%で、オバマ氏が圧倒的に優勢の立場を保持した。

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