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オバマ氏の再選後、テキサス州でアメリカ合衆国から独立する動きが出ている。テキサス州は、平和的にアメリカ合衆国から脱退して、自分達の新しい政府を設立したいとオバマ政権に要請している。同州でこの動きに反対する人達は、テキサス州から脱退することで合衆国に居残ることを希望している。

14日のCNNニュースによると、テキサス州の知事リック・ペリー氏はこの動きに反対しているが、連邦政府に独立請願するための市民による署名はすでに10万以上に達したという。このような動きの理由は、脱退請願署名に応じた市民の間で連邦政府の出費に不満を抱いているからである。アメリカ合衆国からの脱退の請願署名運動はテキサスだけではなく、他多数の州に波及しているようである。CNN筋によると、ペリー知事は、連邦政府に対する市民のフラストレーションは理解できるが、変化を求めた脱退請願を支持する理由はないとして、反対の立場を明確にしている。かっては、このようなアイデアを支持したペリー氏は、2016年の大統領選の候補の一人としても噂されている。

ホワイトハウスのHPに、11月12日に創設したばかりのWe the Peopleと題したサイトがある。そのサイトによると、テキサス州の合衆国脱退の動きは州の経済を破壊するだけではなく、心を閉じた非人道的な思想と行動を認めることになるとし、テキサス州の反政府の動きに対し、オバマ大統領と連邦政府の支援を求めるメッセージが記載されている。しかし、テキサス州は、彼等が独自の主権政府を成立することに対する平和的な許可を要請した脱退請願書を政府に送っている。ホワイトハウスはそのHPに提供しているWe the People のサイト上に1ヶ月以内に25,000の請願署名が集まれば、正式な応答をすると約束している。

月曜までに34,000の請願書が集まったため、ホワイトハウスは何らかの返答をしなくてはならない。オバマ政権は、財政危機以外にも多くの問題を抱えている。現在、似たような動きをしている州は、アラバマ、アリゾナ、アーカンソー、コロラド、フロリダ、ジョージア、インデアナ、ケンタッキー、ルイジアナ、ミシンガン、ミシシッピー、ミズリー、モンタナ、ニュージャージ、ニューヨーク、ノース・キャロライナ、ノース・ダコタ、オクラホマ、ペンシルベニア、サウス・キャロライナ、テネシー州である。全50州がこのような動きを見せていると伝えるメディアもあるが、判明しているだけでも、驚くほど多くの州でナショナリズムの風潮が台頭している。しかし、ホワイトハウスが要求している25,000に達している州はテキサスを除いて皆無である。選挙直後台頭したこの動きは、テキサス州の有権者の57%はロムニー氏に投票したため、明らかに選挙結果に不満を持っているとのことである。

合衆国から脱退することは歴史上めずらしいことではない。エイブラハム・リンカーンは16代目の大統領として1860年に当選し、1861年3月に就任するが、ちょうど同じ時期の1860年から1861年にかけて、奴隷を保持していた11州が、米国からの独立を宣言したことで、南北戦争が勃発する。1790年代後半には、いずれもバージニア出身の第三代大統領トーマス・ジェファーソンと第四代大統領ジェイムス・マジソンは、州に権利があるとする教義を明白に宣言していた。従って、奴隷経済で成り立っていた南部の州が、北部で奴隷制に反対する州が増えつつあった1860年代、アメリカ合衆国から脱退する動きを見せても不思議ではない。しかし、奴隷経済に依存しなかった北部州は、産業化と近代化が発達し、南部は遅れをとった。

テキサス州は国土面積や人口の面でも米国で2番目に大きな州であり、自州の経済的側面から独立化を試みる動きは、それなりに経済的メリットを考慮した上での結果かもしれない。その判断の是非はともかく、連邦政府に依存せず自立できる州は少ない。合衆国から孤立することがメリットになるとは考えにくいが、今の状況はリンカーン時代に似た歴史とオーバーラップしている部分がある。

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