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米国の科学者は、世界の地表淡水の20%を占める米国とカナダ国境付近を連ねる五大湖(スペリオル、オンタリオ、ミシガン、ヒューロン、エリー)は多数の化学物質に著しく汚染されていることを発見し、その報告を最近発表している。

福島第一原発の放射線の影響で米国の海洋水も汚染していると懸念された時期もあったが、現在、特定の地域では放射線汚染より化学物質の汚染の懸念が高い。先週の環境ウオッチドッグの報告によると、米国では第二次世界大戦後、市場に出回る化学品の急増に伴い、水はかなり汚染されている。国民が使用するシャンプーの原料、農薬、織物の染料、農業用の化学薬品、殺虫剤など、おびただしい種類の化学物質が五大湖に流れ込んでいる。

科学者達は、五大湖で発見された多数の化学物質の増加が人体および野生動物のメタボリズムや生殖機能に及ぼすインパクトを懸念している。特に、五大湖の中でも最も都市化と工業化が発達しているミシガン湖では人口の約3分の1がこれらの化学汚染物質に曝されていて、飲料水や水泳などのレクレーション用水の水質に影響を与えていると懸念している。50州の中で8番目に人口密度が高いミシガンや、他ウィスコンシン、イリノイ、インディアナ州で懸念が急増している。

 報告によると、米国では今日85,000以上の化学物質が生産され、年間100万ポンド(1ポンドは0.454Kg)を超える範囲で2,200以上の製品が生産されている。それに加えて、消費者は50,000以上の医薬品を選択することが可能であり、 1947年から市場に参入している殺虫剤は20,000種類ある。最もランクの高い化学物質は、ホルモン、合成ムスク類、抗生物質、医薬品、抗菌剤、防腐剤、紫外線防止剤、可塑剤、難燃剤、農薬など幅広いカテゴリーが含まれている。人間の生活に化学製品が増えるに従って、大気沈降、雨水流出、下水を経由して五大湖にたどり着く可能性があるという。従来の汚水処理は、そのような様々な化学物質を除去するような設計になっていないため、検波可能な濃度の化合物汚水が五大湖に放出される可能性があるらしい。

 ミシガン湖の表層水は検波されたトップ20の化学物質のうち6つの物質に汚染されていて、それらは、難燃剤、合成香料、ビスフェノールA、コレステロール低下薬剤であることが判明した。現在のデーターが示していることは、処理施設で処理された後、ミシガン湖から流れる飲料水は、難燃剤が検出されているだけである。また、現在判明していることは、水に含まれている化合物が確認されているだけである。汚染化合物は水中の生物に蓄積するが、五大湖に生息する魚を食べる人々に及ぼす健康上のリスクおよび、検波できるレベルの水の汚染が人間と野生動物にどの程度のリスクがあるのかまだ明確に判明していないという。

 今日、五大湖の表層数で検出された、ほとんど規制されていない化合物は、湖の健全性と野生動物、更に地域での飲料水に依存している40万人の健康に与える影響を知る上で重要な報告である。ウィスコンシン州のミルウオーキー、北部イリノイ州のミシガン湖自治体や公益事業はすでに汚染物質のモニターや研究を始めている。しかし、インディアナ州のゲイリーやウイスコンシン州のラシーンなどの小さな地域では、モニターや研究を行うための明確な指針がないため実施されていない。

環境ウオッチドッグは、このような警告を報告すると同時に、これ以上化合物の汚染による五大湖の環境と人体の健康を破壊しないため、化学品の製造会社や消費者に対しても注意を促している。また、汚染防止は、技術的な問題解決だけではなく、規制機関、公衆衛生当局、製造会社、環境保護局などの協力による包括的なアプローチが必要であること、社会、個人のレベルでの行動、意識の変化が重要であることを提起している。

 おびただしい化学物質の水汚染は環境破壊に通じ、人間や動物の安全性を脅かす問題であるため、政府の安全基準や規制が必要であることを示唆している。米国環境保護庁(EPA)は州に飲料水源の水質検査を義務つけているが、カリフォルニア州は、州内全ての公的飲料水源から連邦政府基準以上の汚染度を調べた試験データーを収集している。潜在的な健康上の影響に起因する様々な金属、除草剤、殺虫剤、および他の物質の濃度試験を実施し、年に1回住民に配布している。このように、人体の健康に関する面でも税金は役立っているが、EPAの廃棄を提唱する複数の共和党議員は、このような問題、特に人命の安全性をどのように考えているのか疑問である。

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