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「財政の崖」の交渉は現在も紛糾している。 年間250,000ドル以上の所得者に対して増税するオバマ氏の政策は、それが二期目の公約であるため、妥協する意図は毛頭ない。一方共和党は、税制のループホールを抹消する方法で 歳入を得る代償として、メディケアの受益適正年齢を引き上げることを主な交渉課題にしているが、オバマ氏は選挙キャンペーンで、メディケアも現状維持を公約としているため、共和党の提案に同意する意思はないことを明白にしている。

トップ2%に対する増税率を最低限に抑えることで、妥協する用意のあるオバマ氏を最近支持する金持ちが台頭している。スター.トレックの日系俳優ジョージ.タケイ氏は、第二次世界大戦中、インターメント.キャンプに家族が強制収容され、全てを政府に奪われたことを語り、自分は富裕層の家庭に生まれたわけではないが、 上層部が潤えば下部層が豊になるという論理は、長い間歴史が証明していない。しかし、クリントン時代には、増税後経済が回復し、雇用が拡大したことを覚えているので、増税すべきだと語り「どうぞ、増税してください」と明言した。

タケイ氏のような国民は多数存在するのではないかと思える事実がある。13日の全国公共ラジオ(NPR)によると、テネシー州ナッシュビルに住み、ニューヨークにはマンションも所有している61歳のステファン. プリンス氏は、「もっと連邦政府に税金を支払う意思があり、更に富裕層は教育や道路整備など基本的なプログラムを援助するべきであると思っている」と語った。「金持ちに減税すれば、そのお金は戻ってくるという論理は歴史上存在しない、金持ちはそのお金を投資に使う」と述べた。NPRによると、プリンス氏は最近、高所得者ほど高い税金を支払うことを提唱している225人で構成する「愛国百万長者」に最近入会し「連邦政府を助ける意思がなければ、我々は暗闇に陥る」と語っている。

しかし、NPRの記者は取材をとおして、ニューヨークなどの物価の高い場所に住み、複数の大学生の子供を養育している家庭にとって250,000ドルの収入は、楽に暮らしていける程度であるが、彼らは決して富裕層であるとの意識はないと報告している。また、増税には反対しないが、すっきりしない感情を抱いている人たちもいる。セントルイスで住宅ローンのブローカーをしている29歳のマーク.アンダーソン氏は、 医者を妻に持ち、良い環境の適度なサイズの 家に住み、トップ2%の分類に入る富裕層であるが、途方もない浪費はしていないと言う。オバマ氏の税制は認識していて、実質的に衝突するものは何もなく、哲学者にはオバマ氏の税制を支持しているが、 金持ちであることに罪悪感を与えるような世論を民主党は植え付けていると指摘している。フロリダのパーム.ビーチ.ガーデンに住む71歳の弁護士マーチン.クラウル氏は「もし大統領が、累進課税システムで高所得者ほど、高い税金を支払っていることに感謝し、今余裕がないので、国を助けるため公平な税率以上の支払いを富裕層にお願いしたいと依頼すれば気分がもっと楽になる」と語り、「何か悪いことをして金持ちがなったような扱い方に憤慨している人たちがいる」と指摘している。

一方、増税は丁寧に依頼されれば協力するという問題ではないとする富裕層もいる。ワシントンD.C.の弁護士グリム氏は、「同時にコストの削減をするのであれば構わない」と、連邦政府税制の組織化と合理性を指摘している。公選弁護士事務所に勤務しているグリム氏は、一般の人々を援助する社会プログラムを支持しているが、政府には国内プログラムを含めて無駄なコストが多いと思うと語り、個人が政府に依存するようになることも心配しているとNPRは述べている。また、57歳の弁護士、ジェフリー. フィシャー氏も同様に、富裕層の増税には政府の何らかのプログラム削減の必要性があると述べている。しかし、連邦政府の予算修正を援助するため、彼が今以上に税金を払う必要があるのなら、フィシャー氏は、その余裕はあると認識し、「毎年、多額の税金を支払うことになるが、自分の人生に実質的な変化はない、自分はフロリダのパーム.ビーチに住む離婚した弁護士でありうまくやっている」と語っている。

オバマ氏は、先月末から財政キャンペーンで各地の企業を訪問している。また11月14日には、大企業の最高経営責任者(CEO) と会談している。CEOらは上記した一般個人の富裕層の意見と同様、オバマ氏の富裕層に対する増税と経費削減を支持している。11月14日のブルンバーグ紙によると、ジェネラル. エレクトリック、フォード.モーター、ハニーウエル. インターナショナル、アメリカン.エクプレスなどは「財政の崖」を避けるためオバマ氏とホワイトハウスで会談し、オバマ氏への支持を明確にした。他にも、会談を予定されていた会社は、ゼロックス、ダウ.ケミカル、マクドナルド、ペプシ、ウォルマート、シェブロンなど他多数ある。皮肉なことに、 オバマ氏とジョン. ベイナー氏との交渉は、このような富裕層に対する増税の点でまだ合意に至っていない。

この「財政の崖」問題に関しては、再選後も過半数の国民がオマバ氏を支持しているため、オバマ氏が 優位な立場にありながらもまだ交渉は紛糾している。ピュー.リサーチ.センターが12月5から9日まで実施した世論調査によると、もし期限までに交渉に達しない場合、「その責任を責められるのは共和党である」と答えた率は53%、民主党と答えた率は33%である。その理由は、オバマ氏の方が真剣な努力をしていて、「共和党の方が極端な態度である」からだという。企業や富裕層の全てが増税に反対しているわけではないため、共和党はこの2%の富裕層に増税しない論証的な理由を国民に示す必要がある。

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