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21日に開催された豪勢な第57回就任式でのオバマ氏のスピーチは、総体的にレトリック(修辞的) 文体であった。「終えていない旅」がテーマーになっていて、詩的で愛国的であり、華麗な文体の内容に、第二期目の大統領としての決意が秘められていた。また、リベラルな大統領のイメージを前面に打ち出し、過去4年間のセントリスト(中道派)のイメージを払拭したスピーチであった。

オバマ氏は総体的に、米国憲法の精神に基づく自由と平等を強調した。レトリックなオブラートに包まれた演説は、連邦政府のエンタイトルメント.プログラムの重要性、気候変動と再生エネルギーの強調、外交政策における米国の立場、同性結婚、移民、銃規制を支持するリベラルな大統領の立場を明らかにし、その自由と平等の精神を抑圧する勢力に対抗する姿勢を示唆した。オバマ氏は、最初に憲法の精神と団結を強調し、その後、米国には山積した問題があり、自由と平等、更に安全を求める旅には終わりがないことをレトリック調で語った。

全ての人類は平等であり、生命、自由、幸福など譲る事のできない特定の権利は、創造の神が授けたものであり、これらの真理を我々は保持している。1776年の愛国者は、幾つかの特権又は暴政の規則を固辞する王を交代させるために戦うことはなかった。彼らは、建国の信条を安全に保つため、各世代に委ね、人民の、人民による、人民のための共和国政府を我々に与えた。

将来の子供達のため、全ての数学と科学の教員を養成し、研究のためのネットワークを構築することにかけて、 新たな雇用と事業の拡大を単独で、達成できる人はいない。我々は一つの国家、一つの国民として、これまで以上に行動を共にする必要がある。

最も貧困に生まれた少女であっても、彼女はアメリカ人であり、単なる神の前だけでなく、自由であり、平等であり、同じように成功するチャンスがあることを知るとき、我々は自分の信条に忠実である。

この後、オバマ氏は、米国には山積した問題があり、自由と平等、更に安全を求める旅には終わりがないことを語った。最初にエンタイトルメント.プログラムの重要性を強調した。

医療コストと赤字削減のため、厳しい選択をする人々は依然として、全ての市民は基本的な安全と尊厳に値すると信じている。この国は、自由は幸運な人だけに与えられ、幸せは一握りの人たちのためにある、というようなことを信じない。我々は、どんなに自分の人生に責任を持って生きていても、失業に直面し、突然の病に襲われることも、家がひどい嵐に攫われることだってあることを認識している。

我々は、メディケア、メディケイド、社会保障制度を通して、忠実に生きている。これらの保障は、私たちの主導権を奪うことなく、むしろ我々の人生を強化する。これらの制度は、米国を「恩恵を受けるだけの国民が多い」国にはしない。むしろ、この国を偉大にし、我々をリスクの不安から解放する。

*恩恵を受けるだけの国民とは、昨年、ポール.ライアン氏が 「米国の70%は恩恵を受けるだけのテイカーズ(takers)であり、米国は、国の歳入を助けるメイカーズ(makers)が不足している」と述べて国民に反感を買った表現である。大多数の人口層が福祉やエンタイトルメント.プログラムに依存しているという意味である。しかし、ライアン氏は先日「メディケア、メディケイドはテイカーズ.プログラムではない」と立場を変える発言をした。

次にオバマ氏は気候変動とエネルギー政策について語った。

我々は、気候変動の脅威に対応する。それに対応しないことは、我々の子供たちと将来の世代を裏切ることであると知っているからである。圧倒的に科学の判断を否定する人たちがいるが、荒れ狂う火災、干ばつ、猛烈な嵐などによる、壊滅的な災害の影響を避けることは出来ない。

再生エネルギー源への道は長く、時には困難であるが、アメリカはこのような移行に抵抗することは出来ない。我々はそれをリードしなくてはならない。

更にオバマ氏は、長期的な戦争を否定し、米国の外交政策の理想を語った。

人々は、不朽の安全と平和を得るために永久戦争が必要であるとは思っていない。軍服に身を包み、戦いの災で鍛えられた男女は、そのスキルと勇気において比類がない。我々が失ってしまった記憶によって焦がされた我々の市民は、自由のための代価を良く知っている。彼らの犠牲の認識は、我々に害を及ぼすかもしれない人々に対して警戒し続けることである。

我々は人々を守るため、 法の規則に従い、我々の価値観に基づいて、軍事力を維持する。我々は、他国と我々との違いを平和的に解決する勇気を持ち続ける。直面する危険に我々がナイーブだということではなく、その実行は、疑惑と恐怖を取り除くことを可能にするからである。

アメリカは、地球の隅々で、強力な同盟のアンカーとして存在し続ける。米国は、アジア、アフリカ、中東の民主主議を支持する。なぜなら、我々の関心と良心は、長い間、自由に憧れ、自由を切望している人々のために行動することであるからだ。

オバマ氏は、女性、同性愛者、 移民にたいする平等について語り、 投票権の抑圧を牽制し、最後に子供達の安全を強調した銃規制を暗示した。

我々の妻、母、娘たちが彼らの努力に等しい収入を得るまで我々の旅は終わらない。我々のゲイの兄弟や姉妹が平等に扱われるまで、我々の旅はまだ終わっていない。我々が平等に生まれているなら、お互いの愛情に忠実であるなら、ゲイも平等を得るまでその旅は終っていない。

投票する権利を行使するため、長時間待たされる市民が一人も存在しなくなるまで、その旅は終っていない。希望を持ち、葛藤している移民が更に向上できる人生のチャンスを見つけるまで、優秀な学生や技術者を国外追放するより、彼らがこの国で盤石な労働力になるまで、我々の旅は終っていない。デトロイトの街から、ニュータウンの静かな路地、アパラチアの丘に至まで、すべての子供達が常に安全になるまで我々の旅は終っていない。

共通の努力と共通の目的を持ち、情熱と献身の精神で歴史に答えよう、そして不確実な未来に、自由と貴重な光を運ぶ努力をしよう。

と、最後に述べた。二期目の内外政策にたいする、オバマ氏の挑戦の決意が感じられる迫力のある就任式でのスピーチであった。

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