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1月24日、米国国防長官レオン.パネッタ氏は、女性兵士が戦闘のフロントライン(最前線)に配置することを禁止した規定を公式に解禁した。軍隊の世界も平等性の側面で向上を目指していると言えるが、これは何を意味しているのか?

この解禁により、238,000人が新たにフロントラインの戦闘に参加できることになる。1994年、米国国防省は女性によるグランドでの戦闘参加、またはフロントライン戦闘の参加を禁止した。昨日のパネッタ氏の公式発表は、1994年の規定による特定の任務や昇格を禁止した部分が解除され、2016年までには全ての軍隊が新たな体制でスタートすることになる。パネット氏は、全ての女性がフロントラインで戦うというわけではないが、女性兵士の状況を変える時がきていると述べたことを複数のメディアが報じた。

25日の『USA Today』によると、女性兵士に対する肉体的強靭さの条件は手加減されない。軍当局が記者に語った内容によると、歩兵と砲兵には物理的条件が厳格に定められている為、その基準に適合する必要がある。陸軍と海兵隊の場合、年齢、性別に基づいて、肉体的基準は異なっている。しかし、いずれの場合も相当な体力を要する任務には男女同様の基準が要求される。従来の規則を解禁する当局の目標は、「男女を問わず、条件に適合した最高の資格と能力を持つ人物を採用する」ことであり、「任務に適合する資格があれば、その任務に必要な条件を減少させる必要はない」とパネッタ氏は述べている。

イリノイ州のアジア系アメリカ人、タミー.ダックウォース氏は、女性兵士のモデルに値する女性である。2005年に死亡した父はアメリカ海兵隊の退役軍人であり、彼女はハワイで高校、大学を卒業した。1990年にジョージ. ワシントン大学の予備役将校訓練課程を取得し、1992年には米国陸軍予備隊の士官となる。当時、女性の任務は限られていたため、パイロット兵士を選択し、飛行訓練を終えると1996年にイリノイの陸軍州兵に入隊する。2004年、同州で博士号取得を目指し研究に専念していた当時、イラクに派遣されるが、パイロット補佐としてイラクで飛行中、UH-60ブラック.ホークが襲撃された直後墜落し、両足を失うという不運に遭遇した。2007年、イラクとアフガニスタン退役軍人の非営利団体から「退役軍人のリーダーシップ賞」の名誉を与えられ、2010年にはイリノイ大学から名誉博士号を授与されている。現在、両足は義足であり、杖を利用しながら、第二期目のオバマ政権で、新たな連邦上院議員に選出された。彼女はイラク戦争で両足を失った最初の女性兵士である。

イラク、アフガニスタン戦争では約1,000名の女性兵士が負傷し、152名がこの二つの戦争で戦死している。また、ダックウォース氏のように、イラクやアフガニスタンで多くの女性が任務を遂行し実績をあげている現状でも、パネッタ氏の決定には批判の声もある。元将校で、現在ファミリー.リサーチ評議会の副大統領であるジェリー.ボーイキン氏は、現実的な性の違いを無視している、議会での聴聞なしで決定されている政治的、社会的理由のみで決定されている、男女は生理的に異なる、陸軍には肉体的強靭さが必須条件である、男性と同様のスピード感と持久性を備えている女性は稀であると述べている。また、兵士は長期的な戦いに直面することが多い、戦場での状況は衛生面と環境にプライバシーがないなど、予期しない最悪の状況に女性が耐えられるか、という共通した疑問もあるようだ。

反対意見には、女性の生理的違いが目立っているようである。しかし、建設業、警察官、大型トレーラーの運転、その他、伝統的に男性の領域と言われた職業分野に女性が進出し始めた20年前も「女性は、生理的に男性とは異なる」と同じような抵抗があった。戦闘の最前線を選ぶような女性兵士は、平等と引き換えに、さらに死の恐怖とリスクが高まる状況に置かれることを覚悟した上のことであり、生理的な違いなど、おそらく考えないだろう。軍隊の世界でも性別の格差が縮まってきているのは確かである。

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