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日本の学校給食は、第二次世界大戦後、近代化の西洋諸国に追いつくため、子供たちの健康な食生活の向上を目指し、その後、歴史的に世界に誇るシステムが維持されている。一方、米国は2010年12月13日に、健康で飢餓のない子供の法 (The Healthy, Hunger-Free Kids Act、HHFKA) が成立したばかりである。これはミッシエル.オバマ氏と、米国農務省が一体となって、子供の肥満を減少させるため朝食、昼食を含む学校給食を基準化したプログラムである。

26日のワシントン.ポスト は、日本の給食は子供達に栄養のバランスがとれたメニューを提供していると報告している。食材は全て地元で生産された物であり、冷凍食品は一切使用せず、ごはん,野菜、魚、スープなどの基本メニューは40年間変わっていないという。一方、アメリカは肥満が多いため、健康的な食べ物を提供するプログラムを紹介したが、カロリー制限が論争的になっている。

日本とアメリカの子供達は、様々な点で 異なる。日本は世界で最も肥満度が低い国であり、肥満の子供は少ないが、アメリカは 肥満児が多い。アメリカの学校ではスナックなどを自動販売機で購入できるが、日本の小学校、中学校で自動販売機を設置しているところは少ない。自動販売機も含め、米国の学校のカフェテリアやストアーで販売される食品全ての基準については今後の課題になっている。また米国では子供に弁当を持参させることが可能であるが、日本の場合、特別な事情がない限り、小学校、中学校ではその必要性がない。

ミッシエル.オバマ氏のプログラムを紹介する政府サイトによると、子供3人に1人が肥満又は太り過ぎであり、特に黒人とヒスパニック系に多いという。30年前に比較し、ジュースなど甘いドリンク類が市場に増えているからである。30年前は、スナックを食べる回数は1日 1回だけだったが、現在では 3回であり、その結果、子供達の1日のカロリー摂取量は平均200カロリー増えているという。食事の量も過去に比較すると2~5倍増えている。また40年前に比較して、カロリー摂取量は合計31% 、脂肪や油脂分は56%、糖分は14%も増えている。

一方、ワシントン.ポストによると、日本では、子供の小児期と思春期に摂食障害があり、異常に痩せた子供が増えているが、これは栄養失調が原因ではないらしい。世界保健機関 (WHO) は、平均寿命83歳の日本の子供は他のどの国よりも 長生きすると報告。また、日本政府は基本的な栄養ガイドラインを設定しているが、規定は驚くほど少なく、毎日の食事は厳密にカロリーのガイドラインを満たす必要はない。また、多くの学校では、栄養士がメニューを設定し、官僚は干渉していない。政府は、学校が不健康な食べ物を子供に提供している場合、最終的には権限があるが、そのような例はないという。現在、日本では福島第一原発の放射線汚染の懸念から、学校給食の原材料の生産地などについて関心が高いため、サイトにその情報を提供している学校もあるという。

一方、米国のHHFKAプログラムは、子供の食の健康に政府が関与した45億ドルの無料ランチ.プログラムである。5年間を目標に設定され、ミッシエル.オバマ氏が肥満児に対抗するための基準に沿った食事を提供し、米国農務省が認可している。このプログラムは、肥満対策だけではなく、低所得や貧困度が高く、飢餓の危険に陥りやすい地域の子供たちに栄養と十分な食事を与えるためでもある。その基準とは、果物と野菜を毎日確実に取る。全粒穀物が豊富な食品を増やす。無脂肪又は低脂肪の牛乳のみを提供する。飽和脂肪、不飽和脂肪酸、塩分の量を大幅に減少させる。子供の年齢に従ってカロリーを制限するなどである。

米国農務省は、HHFKA制定後2年目の記念日にあたる2012年12月13日に、このプログラムは成果があったと報告。数百万の子供達の栄養向上と飢餓減少を目指す戦いは、多くの学校が成功しているとの報告があり、当局は引き続きモニターを持続すると述べている。ミッシエル.オバマ氏のプログラムに対して、個々の活動頻度と体格に応じたプログラムではない。同じ年齢でも全ての子供が同一のカロリーとタンパク質量になっている。カロリーが減少しているため、学校で空腹になる子供がいるなどの批判が出ている。

日本は、外国のメニューも取り入れるようになり、現在では週に1~2回は、洋食メニューであるという。地元の食材を利用した手作りの学校給食は世界で高い評価を得ているが、その優秀さをコピーする国は存在しないという。生徒らが当番制で配膳するなど、学校の給食も教育の一部になっている日本は、自分のランチも持参できる米国とは本質的に異なる。1970年代以降、欧米の食べ物や冷凍食品が広く普及している現在でも、 日本が独自の食習慣や文化を維持している点が高く評価されている。一方、肥満と飢餓に戦う米政府のプログラムは、30年以上実施されていなかった新しい取り組みであるため,改善すべき点もあり、完全な理解も得ていないようであるが、その努力は評価されている。

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