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28日、上院議員8名(民主党4名、共和党4名)は超党派の包括的移民法の草案を紹介した。民主党および共和党の合意に基づく画期的な発表は1,100万人の不法移民に市民権又は永住権への道を開くことを提案したものである。特に、共和党の4名は、包括的移民改革を5〜6年前に一度支持したことがあるジョン.マケイン氏を含め、長い間移民法の改革については民主党を支持していた議員達である。オバマ氏と似たような移民政策を提案したマルコ.ルビオ氏もその一人である。両党一部の上院議員らが一体となって包括的移民改革法案の通過を強く要請したことは、劇的な出来事である。

超党派の包括的移民改正法案は、まだ正式には公表されていないが、今春又は夏までには、上院で通過させる計画であると民主党の主要メンバーであるチャールス.シューマー氏は述べている。彼らの草案には、すでに米国に長年在住している不法移民にたいして最終的に市民権を与えること、アメリカの大学で科学、数学、ハイテク技術を専攻した不法移民に永住権を与えること、不当な不法移民の雇用を阻止する効率的な確認システムを構築する、アメリカ人を雇用できない事業主のために、農業労働者の移民を受け入れるプログラムを提供する、国境警備の安全強化などが含まれている。

マケイン氏は、11月の大統領選で共和党がヒスパニックの票を失ったことを語り、不法移民にはヒスパニック系が多いため、ヒスパニック票を無視できなくなったことを示唆するコメントを述べた。マケイン氏はアリゾナ州の出身であるが、アリゾナはメキシコからの不法移民が著しく多い地域である。全米の不法移民は55%から60%がメキシコ人であり、ヒッパニック系が多い人口動態の重要性に気づかず、大統領選に敗戦したロムニー氏が、他の共和党議員にとって教訓になっているようだ。サウス.キャロライナのリンジー.グレイアム氏もこの中の一人であるが、同州は不法移民を雇用する事業主が多いところである。そのような雇用主は、低賃金、組合加入不可の不法移民を好む傾向がある一方で、アメリカ人の仕事が不法移民に奪われているとの不満も多い地域である。

ポール.ライアン氏は、この8名の中には含まれていないが、この発表を支持し、不法移民が一定の条件をクリアして、市民権又は永住権を得ることはいい事だと述べた。ライアン氏も2016年の大統領選に候補する可能性が報道されていて、彼に限らず、共和党はヒスパニック系の人口層が増えている現状を直視せざるをえなくなったと一部のメディアは解釈している。一部の共和党議員らが不法移民問題の解決に前向きになっている背景には、ビジネスの声も影響している可能性がある。28日の『ニューヨーク.タイムス』によると、近年、マイクロ.ソフトやオラクルのような大手のハイテク関連企業は、外国のハイテク技術者や数学の熟練者にもっとビザの発行数を増やすよう連邦政府に要請している。なぜなら、アメリカ人だけでは不足するほど需要が高いためである。

オバマ政権の第一期目は、毎年40万人の不法移民が強制送還されていたため、現在、国境付近で不法移民が逮捕される率は激減している。不法移民の60%以上は既に10年以上米国に滞在していると言われている。8名の上院議員らが提案した市民権と永住権のプロセスには、罰金,税金、身元確認などの過程があり、必要な基準に適合しない不法移民は、そのような特権は得られないため限度があり、プロセスには時間も要する。しかも、共和党でコントロールされている下院で通過する保障はない。

一方、オバマ氏は今日、不法移民が圧倒的に多いネバダ州のラスベガスで、包括的移民改正法案を早急に制定させる必要性について語った。最初に、上院議員8名による超党派の草案は、ほぼオバマ氏の法案に近いため歓迎する意向を表明した。また、両党が真剣にこの問題に取り組んでいることは良いニュースだとし、時が来ていることを強調した。オバマ氏は常識的な包括的移民改正法案が必要であると述べ、その理由として、現在1,100万人の不法移民の大半は、米国で長く生活していて、ほとんど問題がないこと、合法的就労の機会を与えることで威厳を保つことが可能である、ハイテク分野は従来移民が開拓してきたこと、従って高度な教育と技術を身につけた移民には永住権を与え、市民権の道を開くことで米国の経済を強化できること、それは中流家庭の経済向上にもつながること、不法移民の犯罪を取り締まることに並行して、国境整備の安全強化を図るため、不法移民を雇用する事業主には罰則を与えるなど、公平なビジネス慣行を徹底するためであると語った。 最後に議会が早急に行動に移すことを急遽要請した。

このような動きに難色を示す反対派は、長期滞在の不法移民に特別な恩赦を与えるようなものである、どんな不法移民が存在するか分からないため、安全保障の問題でもある、米国の財政状況には無理があると反発している。いずれにしても、上院議員による超党派の包括的移民改正法案は、単なる政治的なものなのか、必然的なものなのか不明である。

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