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2001年9月11日の同時多発テロ後、テロ容疑者に対処するため、54カ国の政府と提携したCIAによる極秘プログラムが構築されていたことをオープン.ソサエティ財団 (OSF) が明らかにした。対テロ政策は、テロリストまたは容疑者の拘留、拷問、国外移送に至までグローバル化していたことが判明した。

5日のOSF によると、そのプログラムはテロ容疑の拘留者に対して、 国境を越えてCIAが多くの海外政府当局と提携し、法律の範囲を超えた次元の取り調べを実施するため設計されたものであるという。これら54カ国の政府はCIAの秘密拘留及び国外移送プログラムの一環として、誘拐、拘禁、拷問に関与していた。OSFは、9.11後CIAが関与した人権乱用の包括的情報を同組織の発議権として5日に公表した。「拷問のグローバル化」と題した報告書は、初めてこのCIAのプログラムで拘留された合計136名を確認し、関与した54カ国の政府を明らかにしたものである。

この報告書は、CIAの秘密拘留およびテロ容疑者の国外移送に関与したこれらの多くの国で発生した起訴状況を説明している。2012年12月、欧州人権裁判所は、マケドニアは、エル.マスリに対して人権を侵害し、CIAと共同で国外移送した。加えて、彼に対するCIAの拷問は違反であると判定した。イタリアの裁判所は、エジプト国民であるアブ.オマールの国外移送に関して、米国の当局者に有罪判決を下したと説明している。また、アフガニスタンでの暗い牢獄に77日間拘禁され、その後バグラム基地に移送されてから40日間、時には、腕から天井に吊るされたり、犬に脅かされ、拷問ビデオを視せられたり、電動のこぎりの音に悩まされたりと、ひどい拷問を受けた被害者の判例も挙げている。

OSFはオバマ政権に対しても幾分懐疑的である。なぜなら、オバマ 政権は国外移送を断定的に拒絶していないという。オバマ氏は2009年に秘密の拘留場所を閉鎖し、拷問を禁止する大統領令を発行したが、尋問または裁判のため拘留者を移送することを短期的または一時的に許可したという。従って、オバマ政権のテロ容疑者に対する拘留や国外移送に関する政策、およびその慣行についてはまだ秘密があると指摘。

4日のニューヨーク.タイムスは、 オバマ氏は2009年の就任当時「後を振り返るより前進が大事だ」と述べ、G.W.ブッシュ政権下のこのような慣行を調査する国家委員会の要請を拒否したと報告。また、上院情報委員会は最近6,000ページのCIAの秘密拘留およびテロ容疑者の尋問プログラムに関する研究文書を完成させたが、これも機密であり、その一部さえ公開される可能性があるかどうか不確実であると述べている。テロ容疑者に対して、ブッシュが認可し、広範に使用された幾つかのCIAによる過酷な尋問手法は、多くの批判家から不法であると糾弾されてきた。第一期目に拷問を禁止したオバマ氏もそのような残酷な尋問手法を批判した一人である。

また、ブッシュ政権が法的手続きを踏まえず、テロ容疑者を一つの国から、拷問が標準的な慣行となっている別の国に移送していたことも、著しく論争的である。テロ容疑者の拘留、尋問などを含むブッシュ政権下の対テロ政策は、数年前から、アムネスティ.インターナショナルなどの人権保護団体に糾弾されている。ブッシュ政権の当局者は「国を安全にするため必要であった」と主張したが、多くの批判者は「残酷な尋問手法は不法であり無効力である」と批判した。オサマ.ビンラディンを探している過程で、ブッシュ政権で極秘となっていた尋問と拷問手法の詳細を描いた映画「ゼロ.ダーク.サーティ」が先月公開されたことで、このような論争が再発しているとタイムスは報告している。12月21日の『ハリウッド.リポーター』によると、CIA副官マイケル.モレル氏は、映画は、ブッシュ政権で使用された尋問手法がオバマ政権下で、ビンラディンを探すための重要な鍵であったような印象を与えているが、それは「虚偽の印象」であるとし 、実際は多くの情報源からビンラディンの所在が判明したことを説明している。

今日7日は、ブッシュ政権下で対テロリズム.センターの指揮官であり、またオバマ政権下で1月25日まで、国土安全保障顧問であり、対テロ政策の顧問であったジョン.ブレナン氏の聴聞会が上院情報委員会で開催されている。OSFは、この聴聞の前日まで、CIAの拘禁と取り調べに関する情報報告は機密のままであり、米国の「対テロ戦の名目の下に行われた人権侵害は米国政府が直面している失策である」と指摘している。この報告書の執筆者であり、OSFの法律家であるアムリット. シン氏は「このようなCIAのプログラムの一部として世界中で犯した人権侵害に関して、その真実と責任を米国とパートナー国は明白にする必要がある」と指摘している。このようなプログラムに伴った拷問と虐待の汚名は、引き続き米国とその協力国に残るだろうと語っている。ブッシュ政権と同様に不透明なオバマ政権の対テロ政策に対して、米国民が知る権利、CIAの名誉回復、尋問手法の合法性など、様々な角度からの論争は更に今後も続くと思われる。

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