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米国のこれまでの銃乱射事件は、ほとんど精神異常者による犯罪であることが分かっている。12月のニュータウンでの銃乱射事件後、 銃の暴力を防ぐための方法のひとつとして精神疾病者の問題に注目することが指摘されるようになった。精神的に問題がある人口層は米国にどれくらいの割合で存在するのだろうか?

米国の精神疾患状態は、国際的に共通している。全米精神疾患研究所(NIMH)の最近の調査によると、ある一定の年の調査で、18歳以上の成人の約26.2%、つまり4人に1人が精神障害であることが判明している。2004年の米国国勢調査の人口推定を適用すると、この数字は、5,770万人に達している。精神障害は大幅に拡大しているが、疾患が主な苦しみになっている率は6%、又は17人に1であり、はるかに小さい割合である。また、米国とカナダでは精神疾患が、様々な障害の要因になっている。多くの患者は、ある一定期間に複数の精神障害に苦しんでいる。そのような精神障害に苦しむ人口の半数近く(45%)は、併存疾患に関連した2つ以上の障害を抱えている。

精神疾患が頻繁に懸念されるのは退役軍人に多い心的傷後ストレス障害(PTSD)である。18歳以上の成人の約3.5%、又は770万人がPTSDを経験している。PTSDは小児を含めてどの年齢層にも起こりえるが、調査によると、中間年齢は23歳である。ベトナム帰還兵の19%は戦争後のある時点でPTSDを体験した。また、レイプ、強盗、家庭内暴力、テロ、自然または人為的災害、及び事故など、個人的な苦しみを体験した後にPTSDに苦しむケースが多い。

また、調査の対象となった時期に、主な鬱病障害、気分変調性障害、双極性障害を含む気分障害が診断された率は、18歳以上の成人の9.5%、または約2,090万人である。中間年齢は30歳であり、鬱病は頻繁に薬物乱用を伴って起きている。大鬱病障害は、年齢15歳から44歳までのアメリカ人が経験する精神疾患の主な原因である。18歳以上の成人の約6.7%または1,480万人のアメリカ人が大鬱病障害に苦しんでいる。年齢には関係なく誰にでも起こりえるが、中間年齢は32歳であり、男性より女性に一般的である。

また、自殺は米国で深刻な問題になっている。2006年には33,000人(10万あたり約11人)が自殺で死亡している。自殺者の90%以上は、一般的に診断可能な精神障害、鬱病性障害、又は薬物乱用障害で苦しんでいる。米国で最も高い自殺率は85歳以上の白人男性である。男性の自殺による死亡率は女性より4倍高いが、女性が自殺を図る頻度は男性より2〜3倍多いことが判明している。

一般的に、精神障害と喫煙を並行して論じるケースはさほど多くはないが、喫煙は精神障害に極めて重大な関連性があることを政府機関の疾病対策予防センター(CDCP)が指摘している。注目すべきことは、精神障害の人口層に喫煙率が高いことであり、喫煙は精神疾患を持つ成人に深刻な問題であることを示唆している。全米ではほぼ5人に1人の成人、又は4,570万人は何らかの精神疾患を持っていて、この中の36%が喫煙している。一方、精神的に問題のない成人の喫煙者は21%である。但し、これには診断可能な精神的、行動的、または感情的条件としての精神障害を定義していて、発達上の障害と薬物使用障害は考慮していない。統計によると、タバコを吸っている31%が精神疾患を持つ成人であり、男性は40%、女性は34%を占めている。

多くの精神科や医療施設は患者の喫煙を減少させることに進歩を遂げているが、他はそのような対処を開始したばかりである。現実的には、ほとんどの施設が精神病の治療に焦点をあてているため、喫煙は精神疾患を持つ人たちにとっては問題であることを考えていないか、無視している場合が多いという。 ニコチンは、タバコを吸うリスク及びニコチン中毒のリスクが高い患者のムードを変える効果があるため、独自の問題を引き起こす可能性があるとCDCPは指摘している。

米国の精神障害者の喫煙率は、問題のない喫煙者より率が高いという発見は重要である。オバマ政権の包括的な銃規制に含まれている精神障害者の研究にはどのようなことが提案されているのか、その具体性はほとんど明確にされていない。この調査結果は、精神障害にもかなり多くのタイプがあり、精神障害者の禁煙でさえ難しい状況であることを示唆している。銃が精神異常者の手に渡ることを防ぐ対策は、更に複雑で容易ではないことが想像できる。

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