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米国議会やメディアが最近頻繁に使っている用語にセクエスター(Sequester)と言う表現があります。広辞苑によると「債務者の財産などを仮差し押えする」という法律的な意味がありますが、実際、議員などが使っている意味は、連邦政府の自動的な支出削減のことです。米国は現在、セクエスターのため財政的な危機に直面していると言われています。

なぜなら、2011年8月、負債限度の危機に対処するため、緊急措置として約2兆ドルの赤字を削減する目的で、議会が制定し、オバマ大統領が署名した予算調整法案(BCA)によりセクエスターが3月1日から有効になるからです。もちろん、有効になるのは、共和党と民主党が支出削減措置に関して2月末までに合意に達しない場合です。セクエスター が有効になった場合、3 月  1 日から9月 30日までに850億ドルが削減され、大まかに軍事費と国内プログラムに影響が出ます。共和党や米国国土安全保障省は、安全保障や防衛費に影響があるとして、軍事費の削減に否定的であり、民主党は、国内プログラムの削減は雇用減少に伴い、米国経済に大きな打撃を与えるとして反対しています。超党派による何らかの対策を講じないことには、単に両党が失望する以上の影響が生じます。

それらの影響は、国土安全保障の場合、国境パトロールの減少による安全整備が強化できなくなる可能性です。国民に影響が出る可能性は、空港などでの待ち時間が延長することなどです。また国内プログラムの自動支出削減で影響が考えられる主な分野は教育です。オバマ氏が一般教書演説で提案した、幼児教育の向上などに着手する余裕などなくなるばかりか、高度教育や高度技術を目指す学生への助成金融資が削減され、教師、生徒、カリキュラム数などが減少する可能性があります。またハリケーン.サンディの災害救済を満足に完了させる可能性も疑われます。更に、数百万の公務員の給与減少や、大幅な雇用喪失も懸念されます。

上院および下院議会のリーダー達は、セクエスターを避けることは出来ないかもしれないと懸念しています。一方、米国は多額の支出や負債がありながらも、経済恐慌から近年脱出した経験があるため心配する必要はないという意見もあるようです。 両院複数の議員らは、解決策を提案していますが、どれも合意に至っていません。 BCAの制定は一時しのぎのためであり、究極的な自動支出削減を意図したものではないと言われていますから、 2月末に滑り込みセーフの提案が浮上することを、国民は期待するのみです。

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