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コンピューター技術が高度化するにつれて、サイバー上で情報を盗む犯罪者の技術も高度化していることを示唆しているのが最近のサイバー攻撃騒動である。コンピュータのハッカー問題は最近始まったことではないが、近年、多くの米国大手企業がサイバー攻撃の被害を訴えている。19日の米国情報セキュリティ(安全保障)会社マンディアントの報告は、サイバーによる情報スパイ活動の背後に中国軍がいることを明らかにした。

マンディアントはバージニア州アレクサンドリアに拠点を構え2004年に設立した会社である。同社は、ネットワークの監視、分析、調査、研修、サイバー犯罪や事故の対応、その脅威度の評価などを行う会社で、サイバー情報犯罪に関する高度な技術を備えていると思われる。マンディアントは、フォーチュン500社、政府機関、金融機関、法執行機関などがサイバー攻撃のターゲットになっていると指摘している。すでに、アップル、フェイスブック、ツイッターなどを含めて、7年間で115 の米国にある企業、イギリスにある5社、その他の国にある約20 の企業を含めて、約140の企業が被害を受けている。

中国政府はこの関連を否定しているが、連邦政府はここ数年、中国人がコンピューターのハッキングに深く関与していることを確信している。オバマ政権は、中国軍が、特定のスケジュール、特定の活動、特定の目標を定め、米国の軍事機密を盗むサイバー.スパイ行為をしていることに疑念を抱いていると言われている。少なくとも、 一部の頭脳集団よる独自の犯行ではなく、中国軍が背後にいることは間違いない、というのがマンディアントの報告である。オバマ氏は、中国の秘密活動を認識しているが、情報源が露出することを懸念して、話すことに消極的になっているというのがホワイトハウスのコメントである。

オバマ大統領は、12日の一般教書演説で、概略的にサイバー攻撃の脅威と対処について 述べた。13日には米国商務省のHPに、大統領は、重要なインフラのサイバー.セキュリティの改善を求める大統領令に署名したことが報告されている。これは、ハッキング.グループに関する情報をインターネット.プロバイダーや国のインフラを支える企業と共有するためである。

その解説によると、商務省配下の米国標準技術研究所(NIST)は、コンピューターのサイバー.リスクを減少させ、米国の経済と日常の安全保障のため、最も優れたシステムを構築するため、サイバー.セキュリティ.フレームワークの開発に最初のステップを踏み出すことを発表した。この大統領令に基づき、商務長官は、発電所、金融、通信システムなど重要なインフラのサイバー.リスクを軽減するためのフレームワーク開発を促進し、NISTが監督することを要請している。NISTは、重要なインフラの所有者や事業者、連邦政府機関、州、地方、標準化団体、他の業界メンバー、消費者、問題解決の提案者、他の利害関係者に対して情報提供を要求することになっている。また、今後変化するビジネスやセキュリティのニーズを満たすためのプログラムなど、様々な角度からのガイドラインの開発などが今後実施されるものと思われる。

このサイバー攻撃は、中国が米国の経済崩壊を狙ったものであるのかどうか懸念されている。軍事力も経済力も世界一を目指す野心的な中国が、サイバー情報スパイ行為を行っていても不思議ではない。しかし、米国は中国に対して負債を抱えている国である立場から、米国経済を崩壊してもメリットは全くないと思う。いずれにしても、オバマ政権が重要な米国企業と組織のコンピューター.ネットワーク.システムを保護する目的で、米国経済の中枢経路となるインフラ関連および軍事関連の情報サイバー.スパイ攻撃対策を開始したことは、 それなりの危機感があることを示唆している。中国がサイバーでの情報スパイ活動を駆使する技術があることを思わせる事態もかなりの脅威である。また、両国間の緊張も高まるという点でも米政府はチャレンジに直面している。

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