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2001年9月11日の同時多発テロの重要な容疑者の一人とされるオサマ.ビンラディンの義理の息子、スレイマン.アブ. ゲイスの裁判が、本日、世界貿易センター近辺の裁判所で始まった。アブ. ゲイスは、アメリカ国民殺害の陰謀で起訴され、海外で逮捕された後裁判のためニューヨークに移送された。

7日のロイターによると、アブ. ゲイスは最初トルコで逮捕され、ヨルダン当局とFBIに連行されてニューヨークに移送されたという。トルコ政府は、彼を地元当局とFBIに拘留させ、 ヨルダンに送還した。その数日後、米国に移送されたことを法執行機関の情報筋が伝えた。この逮捕は、下院情報委員会の共和党メンバーと国土安全保障下院委員会の元議長2名が公式に確認したという。

司法長官エリック.ホルダー氏を含む米当局者は9.11のテロ攻撃で破壊された世界貿易センターの跡地に近い米連邦裁判所に、アルカイダの最高ランクの人物の一人であると見られるアブ. ゲイスを今日召喚した。アブ. ゲイスは、以前、司法長官ホルダー氏に9.11の被告の一人として起訴される予定であったが、米国に移送することを国民が反対したため、キューバーの米軍基地グアンタナモ収容所に移送された。ニューヨークの警察当局は、9.11の同犯者と見られる他4人の裁判もそろそろ始まるため、被告を市内に拘留しておくことの安全性をさほど懸念していないという。

起訴状は、 9.11の同時多発テロ攻撃後、アルカイダが収録したビデオに過激派と思われる本人が出演したこと、世界中に散在するアメリカ国民を殺害、又は殺害するであろうと疑われる証拠となる9.11前後の行動リストなどについて明らかにしている。また、アブ. ゲイスは他のメンバーにもビンラディンに忠誠を誓うよう指示し、アルカイダの任務を支援することを代表として語り、9.11と同様の攻撃は続くことを警告していることが起訴状に明記されている。

9.11の計画のため、5月、アフガニスタンのカンダハルで集会を行った際、アブ. ゲイスは、そこに集まったメンバーらにビンラディンへの忠誠を促し、ビンラディンは9.11の夕方アブ. ゲイスの援助を要求して召喚したという。翌朝、ビンラディンは「大軍はお前達に対して結成された」と米国とその同盟国に宣戦布告し、「イスラム国はユダヤ人、キリスト教徒、アメリカ人に戦いを挑む」とのメッセージを発信した当時、アブ. ゲイスはビンラディンと一緒に居たとされている。

国連制裁安全委員会の記録は、アブ. ゲイスは1965年にクウェートで生まれている。9.11後、アルカイダの主要なスポークスマンとして浮上し、その後、アルカイダのトップ.グループの一部に属している。その中にはイランに移転したビンラディンの息子のサアドがいた。イラン当局は彼を拘留していたことが米国当局の情報で明かされている。2010年には、イラン当局によって釈放され、アフガニスタンに帰国したことが報告されている。

本日、 ひげを剃り、ダーク.ブルーの刑務服に身を包み、手錠をかけられて混雑した法廷に姿を見せたアブ. ゲイスは、無罪を主張した。8日のロイター通信 によると、通訳を介した裁判手続きの指示に協力的であった。「起訴された理由を理解しているか」との質問に「イエス」と答え、「裁判所が指名した弁護士を希望したか」との質問にも「イエス」と答えたと報告されている。弁護士は2名であり、 そのうち1名は 無罪請願を提示した。

アブ.ゲイスがアルカイダのトップ.ランクの主要人物であると見られている根拠は、 ビデオ、オーディオ録音、22ページの法執行機関に語った発言内容の記録であることが検察官によって明らかになった。検察官によると、裁判は3週間続く予定であり、公判期日は4月8日の公聴会で決定されるとのこと。今日の法廷で、裁判官はアブ.ゲイスがビンラディンにたいする忠誠を促したことと、米国に対して、9.11と同様の攻撃を企てたことの罪状に対する起訴状を読み上げた。その内容によると「嵐、特に飛行機の嵐を止めてはならない」とイスラム教徒に指示した事である。起訴状は、世界中に在住するアメリカ国民の殺害に関する2001年9月11日前後の陰謀リストを糾弾している。

テロ戦争を先導したジョージ.W.ブッシュ政権下では、一般のテロ容疑者は民間裁判所で裁判を受ける機会はあったが、グアンタナモに拘留されたテロ容疑者は、米国で連邦裁判所の裁判を受ける機会はほとんどなかったと言われている。連邦政府の情報筋は、アブ.ゲイス被告の逮捕におけるCIAの役割は否定できないが、テロ容疑の重要人物を取り調べるグループとして知られるFBIが先導的役割を果たしていることをロイターは報告している。ブッシュ政権下で構築されたグローバル規模の秘密刑務所ネットワーク、テロ容疑者を拘留していたCIAのプログラム、水責めの拷問 、及び裁判なしで海外に転送する尋問技術は論争的であったため、オバマ政権はこれらを停止した後に新たなグループを創設した。そのグループはアブ.ゲイスの逮捕と今日から始った裁判に重要な役目を果たしたものと思われる。

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