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連邦政府は、戦争で負傷した身体障害者を含む退役軍人にたいして、年金や補償金を支払う義務がある。驚くことに、戦争が終った148年後の現在でも、南北戦争の退役軍人の家族にたいして連邦政府は毎月支払いを続けていることが明らかになった。

3月19日のAP通信によると、ワシントン出身の民主党上院議員パティ.マリーは、国民に長期的な戦争のコストを知らせるべきであるとし、「戦争を決断する時には意識的にそのコストを考えなくてはならない」と指摘している。APの分析によると、1898年の米西戦争、第一次大戦(WWI)、第二次世界大戦(WWII)、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガニスタン紛争などの退役軍人と生存者に対する補償金は年間400億ドル以上であり、これらのコストは急上昇しているらしい。1990年代初期の湾岸戦争、イラク戦争、アフガン紛争で死亡した兵士の家族に支払われる補償金は年間120億ドルであるという。退役軍人に支払う医療費や他の受益プログラムは含まれていないこれらの補償金は、2003年から合計500億ドル以上に達し、今後何年間も増え続ける事が予測されている。

ベトナム戦争が終焉してから40年が経過しているが、戦争の支払いはまだ上昇している。現在ベトナム戦争の補償金は年間220億ドルであり、米連邦捜査局(FBI)の年間予算の約2倍になっているという。ベトナム戦争のコストは議会が分析した2011年のドル推定額によると7,380億ドルであり、戦争後の退役軍人と家族に別々に支払われる補償金は、APの計算によると1970年以来2,700億ドルであるという。ベトナムは戦争中、通常エージェント.オレンジと呼ぶ枯れ葉剤が使用されたため、その化学品の原因による糖尿病に認定された退役軍人には、数年前から補償金が支払われている。更に、最近からベトナム戦争の退役軍人に共通する心臓病の請求が増えていて、自動的に補償金が支払われている。

94年前に終焉した WWIの補償金は、毎年納税者に約2,000万ドルの費用がかかり続けている。WWIの補償金は2,289人の生存者に支払われていて、その3分の1は配偶者であり、20〜30名は100歳以上であるという。WWIIの退役軍人と家族に支払う補償金は、1991年以来約25%減少しているという。朝鮮戦争のコストは年間28億ドルである。1898年の米西戦争の補償金受取人は現在10名であり、年間約50,000ドル支払っている。南北戦争(1861—1865)の現在の補償金受取人は退役軍人の子供2名である。そのうちの1名は、1930年頃生まれたノース.キャロライナ州に在住している米国市民であり、他の1名はテネシー州の受取人で1920年頃の生まれではないかと推定している。このケースは小額であるが、いずれも年間876ドルずつ受理しているという。

米国は現在退役軍人の給付制度プログラムが充実しているが、1770年代の独立戦争中、軍人や家族に経済的メリットを提供することで軍人を募集したことが、その歴史的背景ではないかと思われる。約150年間も、南北戦争の退役軍人の家族に支払う制度が存続していたことは驚きであるが、連邦政府の戦争責任の重大さを示唆している。同時に、一般的に国民は戦争後のコストを知ることはほとんどないため、見落としがちであるが、総体的に莫大な数値である。1月、オバマ大統領は、議会が負債限度を上昇しない場合、連邦政府と軍人への支払いは厳しくなると警告した。現状は、予算削減のため、 退役軍人の給付制度や補償金の削減を提案する共和党議員もいる。一方、イラクおよびアフガニスタン戦争の退役軍人の45%は、戦争中の負傷に対する補償金を求めていて、これは米史上記録的高さであるという。戦争による連邦政府の経済的責任は計り知れない。

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