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26日、27日は、ワシントンD.C.の最高裁の建物の前に、同性結婚を支持するグループと反対するグループによる大勢の群衆が押し寄せた。今回の最高裁の聴聞は、同性結婚に関する2つのケースについて検討するためである。昨日のケースでは、カリフォルニア州が同性結婚を禁止するプロポジション8は憲法違反であるかどうかとする論議に集中した。今日27日の聴聞では、連邦政府の通常ドマと呼ばれる結婚防備法(DOMA)の合憲性について論議が展開された。いずれも、聴聞の結論は6月末に達する予定である。

昨日の最高裁の聴聞は、カリフォルニア州のプロポジション8の合憲性について決定的な判定を下すことは時期が早いとする意見が提起された。サミエル.アリト判事は、従来の伝統的な結婚は人類史上2000年も続いているが、同性結婚は、 携帯電話やインターネットのような高度技術より新しい制度であるため、最高裁は結論を急がない方がいいと提案し、同性結婚の将来の影響を予測することの困難さを示唆した。また同性結婚の評価については「良い事かもしれないし、悪いことかもしれない」と述べ、結論に至る困難さを示唆した。アンソニー.ケネディ判事は、同性結婚を許可した場合の社会的影響については不確実であるとの立場を示した。

最高裁長官のジョン.ロバーツは州に同性結婚を認可することを要求することに抵抗感があるとし、一方、4名から5名の判事はプロポジション8を却下する可能性がある印象を与えた。また、ケネディ判事は、カリフォルニア州には、約40,000人の子供達が同性愛者の両親と暮らしている。そのような子供達は、両親の結合を認識してほしいと願っているかもしれないとし、 そのようなカップルの両親が十分社会の理解を得ることを希望している子供達の声は、このケースの場合重要であると指摘した。昨日の聴聞では、最高裁は全く断定的な判定をせず、解散する可能性もある事を示唆した。

一方、本日行われた聴聞会では、1996年にクリントン政権が制定した結婚防備法であるドマ(DOMA)に関して意見は対立したが、昨日より幾分雰囲気が異なり、最高裁はドマを却下する可能性があることも示唆した。近年になって、ドマの合法性の是非が著しく問われるようになっている。同性結婚を州で認めても連邦政府が認めていないため、半世紀以上も結婚生活を続けながら、 不必要な連邦不動産税を課税されたニューヨークの83歳のエディス.ウインザーさんのように、経済的観点からドマは米国憲法改正法第十四条に違反するとして最高裁に上訴するケースは増え続けている。

ウインザーさんは今日、最高裁の前で、連邦政府は我々のような同性愛者を「よそもの扱いしている」と述べた。ドマは同性結婚者にたいして、連邦政府給付にアクセスする権利を否定している一方で、州には決定の権限を与えているため一貫性がないことが問題提起された。今日の聴聞は、ドマの経済的不平等について議論され、また結婚の法的定義について再度考察する機会を与えた。同性結婚の社会的状態を牛乳に例えた場合、普通のミルクと比較して、州で認めても連邦政府が認めていない同性結婚は 、「脱脂粉乳 」のようなものだとし、ルース.ベイダー.ギンズバーグ判事は「すべての側面で影響を及ぼす」と述べ、連邦政府が同性結婚の合法性を認識することの重要性について指摘した。

2日間の聴聞は、意見が分裂したため、6月末の決定では、いずれのケースも4名から5名の判事はカリフォルニア州のプロポジション8と連邦政府のドマを却下するような印象があった。特に、女性判事3名のソニア.ソトマイヨァーとエレナ.ケーガン、ルース.ベイダー.ギンズバーグに加えてスティーブン.ブライヤーの合計4名はいずれのケースも、同性結婚の合憲性を支持し、連邦政府が 同等に保護する権利を主張したため、この2つのケースを非合法と決定する可能性がある。一方、最高裁長官のジョン.ロバーツ、アントニン.スカリア、クレアランス.トーマス、サミエル.アリトなど保守派4名の判事は、伝統的結婚を支持し、これらの現行法を保持する可能性がある。

無党派的な立場にいるアンソニー.ケネディの決定が大きく左右すると思われる。特に、ケネディ判事は、9つの州とワシントンDCが同性結婚を認めていることや、 同性結婚のカップルに対する受益を阻害するドマは連邦政府の権限を越えたものであると提起し、議会の権力に疑問を投げかけた。しかし、 伝統的結婚を重んじる下院共和党議員らはドマ擁護を主張した。現在カリフォルニア州には2万組に近い同性愛者のカップルが存在すると言われている。最終的に最高裁は、同州が同性結婚を禁じるプロポジション8および連邦政府のドマを憲法違反として却下するかどうかは予測し難い状況であるというのが2日間の聴聞の印象である。

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