アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2020 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

セクエスター( 自動支出削減)は食品の安全性にも影響を及ぼすことが懸念されていたが、31日の農務省の発表によると、精肉産業の検査官に無給休暇を強制する必要がなくなった。100年以上途絶えることがなかった検査であるため著しく良いニュースである。

農務省は9月までの予算として5,500万ドルを得ることに成功したため全米の精肉業者がビジネスを閉鎖する必要がなくなったという。これにより、精肉産業の検査組合は少なくとも、約9,000人の無給休暇を減少させることが可能になった。精肉検査組合や、精肉業界のロビー活動家などは セクエスターが消費者の食生活の分野まで影響を及ぼすとは信じていなかったようである。

精肉産業の検査組合に対する強制無給休暇は牛肉、豚肉、鶏肉などを予定どおり屠殺できないため、これらの家畜を保管するためのスペースや飼料費用が増大するという。当然、肉の加工や肉のパッキングに至まで、全ての関連ビジネスが影響を受けることになる。これに加えて、肉類の供給が減少するため価格が高騰する懸念もあり、多方面で経済的な悪循環が伴うと思われる。このような最悪の状況を防ぐため、農務長官のトム.ヴィルサックは議会に交渉し、検査組合や精肉業界のロビー活動家などは彼を援助したようである。その結果、精肉検査の予算配分に関し、 圧倒的に多数の議員が同意したため、先週オバマ大統領の署名に至った。米国の食品安全性、特に精肉検査に関しては、消費者とビジネスの両方に大きな打撃を与えるため100年以上徹底されている歴史がある。

米国ジャーナリスト及び作家であったアプトン. シンクレアの1906 年の 『ジャングル』は、20世紀の貧しい移民のスラム街の生活と厳しい労働環境、およびその背後にある資本家の腐敗を描いた作品であるが、同時に精肉のパッキング工場を調査し、ずさんな衛生管理の実態を世間に暴露した。これを読んでショックを受けた当時の大統領セオドア.ルーズベルトは議会に食品医薬品局(FDA)の制定を要請し、連邦政府は1906年に初めて精肉の検査基準を制定した。

更に、1957年には、連邦政府は 家畜の肉製品の安全性を明確にするため検査することを農務省に義務づけた法を制定した。その後、米国の食中毒は大幅に減少する。肉類に限らず食品安全に関する基準は、繰り返し更新され、最近では2011年に食品安全近代化法(FSMA)が制定された。精肉を含めた食品安全検査は、毎年約100万人の病気を防ぐため、米史上著しく重要な分野であるため、セクエスターを免れたことは米国民にとって幸いである。積極的なロビー活動によるこのような成功例は、警察官、空港の役人、警備保障など他の分野にも期待感をもたらしている。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。