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不法移民の数は、劇的に低下しているものの、毎年数千人が米国に不法入国していて、不法移民の問題は、米国の宿命的な課題である。移民改正法の具体案は、来週紹介される予定であるが、2011年の12月31日までに入国した不法移民に市民権を与えることを謳った移民改正法案の恩恵を受ける不法移民の数は、かなり限定されることになりそうだ。現実的には1,100万人の不法移民に永住権や市民権を与えるというわけではなさそうだ。

12 日のAPによると、超党派の不法移民受け入れの条件は、(1)2012年末までにはすでに入国していること。(2)犯罪歴がないこと。 犯罪記録の詳細については、まだ確定していないが、特に重罪の有罪判決を受けた個人は除外される。(3)米国の福祉に頼る必要がない人物で、職歴または経済的状況が十分安定していること、となっている。従って、かなり多くの不法移民はこの対象から除外されるのではないかと見られている。

これに伴い合法移民の政策を見直すことになり、第二期目のオバマ氏の最優先課題である包括的移民改正法は、25年以来、米国移民法を大きく変えることが予測される。その一つは、(1)全ての雇用主に労働者の法的地位を確認する義務を課す。(2)境界の安全性を最大限に強化する。(3)農業従事者および高度技術者の移民プログラムを促進する。特に、これは現実的なものになることが予測されている。

しかし、有権者や他の議員らがこの法案をどのように判断するかは不明であり、複数の共和党議員は反対を表明していて「数百万の不法移民は恩赦を得ることは確実であるが、国境の警備強化は実施されない」と苦情を述べている。不法移民の反対者はいずれも 「市民権への道は恩赦である」と抵抗し、この提案は有効的なものではなく、一般の吟味に耐えるものではないと反論している。

この不法移民問題に超党派の協議を試みた「8人のギャング」と呼ばれる民主党4名、共和党4名の上院議員らは、彼らが取り組んできた移民改正法の提案を今後第三者の手によって修正または追加されることに反対している。しかし、移民問題を協議している他のグループの共和党議員は、市民権への道を支持する条件として、法務執行と国境の安全性に厳しい基準を求めている。移民支持団体は、それぞれイデオロギーの異なる8名の議員らが一体となって難しい課題に取り組んできたことを高く評価し、この法案は通過すると楽観的であり、阻止の動きには対抗する構えである。

8名は、数ヶ月間交渉にあたり、ほとんど草案は完了し、来週中には公表されるはずである。公表後は、上院の司法委員会で聴聞が予定されている。しかし、現在の段階では、単なる提案であり、他の議員らの同意を得ているわけではないため、どのように状況が変わるかは不明である。特に不法移民に反対している共和党議員らは、一人でも不法移民が国境付近から密入国した場合、国境は安全ではないと見なし、不法移民に市民権を与える法案に同意しない条件をつけている。 ちなみに、国境がある州は、カリフォルニア、テキサス、アリゾナ、ニューメキシコであり、当然不法移民の数は多い。更に、市民権の条件は、経済的および社会的に不利な不法移民をほとんど考慮していないため、現実的には、多くの不法移民にとって、「ドリーム法案」は文字どおり夢で終るのではないかと思われる。

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