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国土安全保障長官ジャネットナ.ポリターノは19日に開催された上院司法委員会による移民改正法案の聴聞会に参加する予定であったが、ボストン.マラソン爆破のため中止した。加えて、米国の移民法に疑問を提起する議員や移民改正法案の延期を提案する議員が出てくるなど多大な影響を与えている。

米国の政治家、特に共和党議員に米国の移民改正法を再検討する動機を与えたようだ。複数の議員らは、現在提案されている包括的移民法を再検討する必要があるとし、他の複数の議員らは、この事件に影響されるべきではないと反論している。19 日、アイオワ州出身の共和党上院議員チャック·グラスリーはボストン.マラソン爆破の犯人は移民であっため、移民改正法問題を提起した。

19日のCBSニュースによると、グラスリーは「今週の出来事を考えると、我々の移民制度のギャップと抜け穴を理解するのに重要である」とし、マサチューセッツ地域社会を恐怖に陥れた容疑者の移民状況を詳しく知らないが、それが分かれば、「移民法の弱点に光をあてる助けになる」と語った。グラスリーが提起した疑問は(1)個人がどのように政府当局に気付かれずにアメリカ土壌でこのような攻撃を計画する事が可能なのか。(2)米国入国を希望する人々の安全チエックをどのように強化できるのか。(3)最近の新たな移民改正法を含む移民法下で、我々に被害を与えることを企む人々は、その受益の適正資格がないことをどのように確認できるのかである。

同じく、アイオワ州出身の共和党上院議員で移民改正法に日頃から反対しているスティーブ.キングは、この爆破事件のため、不法移民を合法化し、ビザのシステムを変える計画を延期するべきだと主張している。一方、包括的移民改正法案の提案者である「8人のギャング」と呼ばれるメンバーは、「結論を急ぐべきではない」と指摘している。その中の民主党上院議員であるニューヨーク出身のチャック.シューマーは、法務執行部が、入国者の身元をしっかり把握している場合、一般的に米国はもっと安全であるとし、指紋、写真などバックグランド.チエックを実施していると述べた。加えて、難民や亡命者のプログラムは過去5年間で著しく強化されていると指摘し、ビザのスクリーニング.システムを強化するため、米国国土安全保障省に働きかける努力をする意向を語った。

また、他の法案起草者である共和党上院議員、ジョン.マケインやリンジー.グレイアムも、米国への出入国者を正確に掌握することで移民法を強化することは国家の安全保障を強化することに繋がるとしながらも、現在の連邦政府の移民法は、ほとんど機能的ではないため、今日それを達成する事は不可能であると指摘した。米国には「1,100万人が日陰で生きている」とし、これが「無数の脅威」になりやすいため「包括的な移民改正法は重要である 」と述べた。また、移民法の近代化、不法移民のバックグランド.チエックの強化、国境安全強化の重要性を強調した。フロリダ州のマルコ.ルビオも、法に忠実な移民と今回のテロ事件を結びつけ彼らが起草した移民法案を阻止する意見に抵抗している。

19 日の『アトランテック』誌は、ボストン爆破テロと移民法に関して、 人間に内在する複雑な側面にスポットをあてた重要なポイントを指摘している。19日夜逮捕された19歳のジョカァル.ザァナエフは、2012年9月11日に帰化した米国市民であったことから、「この事件を、現在取り組み中の移民改正法案と関連づけることがどれほど難しい事であるかを示している」とし、全ての移民の「行動を法律で禁止することは不可能であると、銘記する時である」と述べている。ジョカァルの高校時代の友人は、一貫して、彼は親しみやすく愛想の良い人物であったという印象を持っているが、「人間は変わる」ことはあり得るし、どんなに親しい間柄でも理解していない側面があるかもしれないと指摘した。現在米国には完璧な「移民のスクリーニング.システムはなく、人間の奥にあるものを測ることや、将来どのような行動をとるかを予測できる心理的な調査方法もない」と述べている。

更に同誌は、「難民として又は他の理由で、両親と一緒にこの国に入国する子供達の将来の行動を予測する事は実質的に不可能である」と述べている。また、長年順応で正常だった人間が、突然過激なテロ容疑者になることは予測し難いことである。従って、米国に誰を入国させ、誰に市民権を与えるかを慎重にスクリーニングすることは当然であるが、人間の変化を誰も止めることができないと述べている。

包括的移民改正法の取り組みの延期や停止を提案している保守派の議員にとって、特に今回のボストン爆破テロは、テロ攻撃と移民法を結びつけやすい要因になる。一般的に彼らは移民を歓迎しないが、その理由の一つは、西洋のキリスト教信者以外は信用できない、またはイスラム国の移民は米国の価値観を共有しないということである。特に、9.11後からこの傾向は顕著であるため、ボストン爆破テロは当然、そのような感情を誘発させる結果になることが考えられる。カトリックやキリスト教信者が多い米国にもクセノフォビア(外国人恐怖症)の文化は厳然と残っていることを示唆している。

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