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今日17日、IRSが特に保守派を標的にしたとされる疑惑の聴聞会で、議員らの質問に対応したのは、IRSの活動委員会の副委員長、スティーブ.ミラーと財務省監察官のラッセル.ジョージである。ミラーは聴聞会の最初に間違ったまずい対応であったことを謝罪し、保守派をターゲットにしていたとの疑惑および政治的動機を否定した。この聴聞会では、ある側面で根本的な原因が浮き彫りになった。

17日のワシントン.ポストによると、ミラーは、政治的な動機があったかどうかに関する質問で、彼自身は、政治的任命は受けていないため、政治的グループの税控除申請を許可するべきかどうかを判断するための適切な方法について、議会からの明確な指導を受けることには利点があるはずだと述べ、超党派の立場であることを明白にした。また、IRSは政治的には中道であるはずだとし、関与した職員は政治的な意図に基づいて対処したものではないと信じると述べた。更に、アメリカ国民や議会を欺くようなことはしていないと主張した。

また、IRSの職員は、政治活動を主体としながら税控除を申請したグループを中心に対処しただけであり、ティパーティを特定して標的にした訳ではないと述べた。事実、民主党寄りのグループも同じように入念な検査を受けた事例が複数あったことをマサチューセッツ州の民主党議員リチャード·ニールが証言した。職員は「面倒な方法」で業務を「より効率的にしようとしていた」ため、ティパーティは政治活動を展開している一方で、税控除に申請していたグループであっため焦点をあてたと述べた。また、申請者のリストに集中し、そのような政治的動機による証拠はないと答えた。効率的な方法に言及したとき、ミラーは2010年から、税控除申請件数は劇的に増大し、対処する資源や人員不足などの問題があることを明らかにした。現在、全ての分類の税控除申請業務に対応しているのは140名から200名であり、かなり人手不足であることを伝えた。

2010年1月「 Citizen United v. Federal Election Commission」(市民連合対連邦選挙委員会)の裁判で最高裁は、憲法第一条の言論の自由に照らし、企業、組合も人であるため、議会が選挙資金献金の限度を定めることは違憲であるとする判定を下した。ミラーの証言によると、この判決後、501(C−4)コードに属する社会福祉団体の税控除申請は急激に増えたため、莫大な量の申請書に対処しなくてはならなくなったという。なぜ、この類いの申請が増えたのか? それは、501(C−4)に属するグループの申請には政治献金者の氏名を公開する必要がないからである。しかし、ミラーは、場合によっては、申請書の検討中に献金者名のリストを要求することもあったと証言し、寄付金の情報は無関係ではないと述べた。また、このような要求を受けた50%以上はティパーティ.グループではなかったと証言した。この席で、実際に寄付者リストの提出を要求された27件のうち、ティパーティ.グループに属していたものは13件のみであったと報告された。

オバマ政権は、2010年からIRSが政治団体の税控除申請の監察を行っていることを知っていたかという点について、財務省監察官のラッセル.ジョージが証言した。17日のニューヨーク.タイムによると、ジョージは 政治的活動を展開している組織の税控除申請を監察していることを古参の財務省の弁護士に2012年6月4日に語り、その後すぐ、副財務長官ニール.ウォーリンに語ったと告白した。 オバマ政権の一部の当局者は大統領選挙期間中、このことには気付いていたと初めて公表した。 また、ミラーも複数の共和党議員に、保守的なグループを標的にしていることがIRS以外のオバマ政権当局者に漏洩した可能性があるかどうかを聞かれたとき、「それは法律違反だ」と反応し、「それが起これば、私はショックを受けていた」と述べたという。

タイムス紙は、I RSが、特に保守的はグループを選定し余分な監察を実施していたことをオバマ政権の一部の当局者は知っていたが、大統領選挙のキャンペーン中は明らかにしなかったことを暗示するようなジョージの証言は、共和党議員に火をつける可能性があると報告している。2012年の大統領選挙で共和党の副大統領候補であったポール.ライアンは「それは大きな問題を発生させる」とコメントしていると報告。

今日の聴聞会の主要点は、IRSの監察に政治的動機があったかどうか、オバマ政権の当局者が知っていたかどうかである。この聴聞会である程度想像できることは、シンシナティの事務所で行われた監察は、政治的意図により、特にティパーティを標的にした可能性は低いということである。証言の内容から察すると、ティパーティを最初から標的にしたというより、結果的にティパーティに焦点をあてる頻度が高かったとも解釈できる。また、IRSの財務的および事務的側面にも問題があり、職員は、政治的色彩の強いティパーティの税控除申請に対して、どのような対処をすべきか公式な指導をほとんど受けていなかったのではないかと思われる。さらに、2010年の最高裁の決定は、結果的に税控除申請の乱用につながり、問題を更に複雑にしていると思われる。

また、IRSの監察は2012年に財務省が認識していたことが明らかになったが、オバマ大統領自身がこのことを知っていたかどうかは、この聴聞会では明白にされていない。ミラーの証言では、IRSは財務省の管轄下にあるため、同省の一部の役員以外はこのことは知らなかったことを示唆している。このようなIRSの問題が表面下したのは今回が初めてであると言われているが、ブッシュ政権下で、2004年にイラク戦争に反対したリベラルな教会が税控除を無効にするとIRSが脅した例もあるという。今回も過去の例も、 政治的意図があって特定したグループが圧力を受けたと単純に解釈することは危険であると思えるほど、本質的な問題が潜んでいることに気付くべきかもしれない。

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