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オレゴン州の80エーカーの畑で未承認の遺伝子組み換えによる小麦が発見されたことを受けて、日本は米国からの小麦の輸入を中止する決定をした。31日のワシントン.ポストによると欧州連合(EUは、消費者を保護する立場から化学会社のモンサント社で遺伝子組み換えがなされた小麦の検査を緊急要請した。韓国も日本に同意して輸入を中止するようである。 米国の小麦を輸入しているEU国は27カ国であり、年間110万トンを輸入している。80%は柔らかい白小麦であり、スペインは主な輸入国であるという。米国の小麦を輸入しているアジア諸国は小麦が汚染されていないかどうかを判断する政府の試験結果が判明するまで輸入を一時停止する決定をしたようである。

米国産小麦の最大の輸出市場になっている日本は、30日に白小麦の輸入を中止し、主な購入予定を全てキャンセルしたと伝えられている。 業界をリードするモンサント社は、1994年から2005年の間に除草剤に抵抗力のある小麦の品種を開発し、オレゴンや他10州以上で試験を実施したが、商業用としての認可は得ていなかったという。しかし、オレゴン州のある農家で小麦も含めてすべての雑草を殺すため、モンサント社の主要製品である商標名「ラウンドアップ」の除草剤を使用したところ他の雑草は全て絶滅したが、小麦だけは生存したという報告があったため、米国農務省はその品種を最近確認したと伝えている。生存した小麦がどこから来たのか、その農家の畑でどのように作物が変更されたのか、謎は残ったままである。

この報告は、米国の小麦市場を混乱させている。EUは、ヨーロッパでの検査の取り組みを援助するようモンサント社に要請したという。この展開は、ミズリー州のクレーブ.クゥアーに本部を置き、種子、雑草剤、バイオテクノロジー、その他のサービスで135億ドルの売り上げを誇り、他の遺伝子組み換え製品を推進するモンサント社が注目を浴びる結果となっている。先週末は、多くの都市で食品の安全性を訴える組織や環境保護団体など、一連のデモ抗議があったという。環境団体は、遺伝子組み換えをした種子が人間の健康に害を与えないことを明確にするため多くのテストを行う必要があると指摘している。また、遺伝子組み換えの作物は除草剤の広範な使用を奨励し、益々除草剤に抵抗力のある雑草が生えてくると指摘している。

しかし、米国は、綿、トウモロコシ、大豆などすでに遺伝子組み換え作物に大きく依存しているとワシントン.ポストは報告している。 1997年に米国市場に出回った大豆の5%から17%は遺伝子組み換え大豆であり、2012年には約60%から90%以上増加したそうである。また、米国で売られている加工食品の推定70%以上は遺伝子組み換え作物からの原料や油が含まれているという。また、米国人は最近提案されているサケの遺伝子組み換えも含めて、総体的に遺伝子組み換え食品に懐疑的である。しかし、 EU、日本、中国などの主要市場の政府は遺伝子組み替え小麦の種子に反対しているため、米国は遺伝子組み換え小麦の商業開発を避けてきたという。モンサント社はオレゴン州で発見された小麦の品種の商業開発は9年前に終えていると発表したというが、環境団体は、最近オレゴン州で80エーカーの畑で未承認の遺伝子組み換え小麦が発見されたため、1農家だけ12年後に突然現れるはずはないとして、種子が各地に点在して残っていたのではないかと不審を抱いている。 モンサント社の証言は曖昧で誤情報があるため混乱が生じているようだ。

長い間ワシントンで問題となっているのは、 遺伝子組み換え食品の表示義務の法案を議会が否定していることである。現在、EUは遺伝子組み換え製品であることを表示する規則を定めているが、米国は提案されていてもなかなか議会が本腰をあげない。情報の開示を法律で義務づけた場合、ビジネスへのプレッシャーと経済的負担がかかるとして、モンサント社のようなロビー活動家が、投票を妨害しているからである。遺伝子組み換え食品を購入するかしないかは消費者に選択の自由があるはずだが、ビジネス利益優先の政策は国民にその選択さえ与えていない。しかし、米国では2002 年から20 以上の州で、遺伝子組み換え製品のラベル表示義務を提案しているか、または法案制定の努力が行われている。

米国は、遺伝子組み換えの農作物に関して貿易上の信用を損ねた過去がある。2006年には、様々な規制を受けた遺伝子組み換えの米が普通の米に混ざっていたことを農務省が報告したため、複数の貿易相手国は米国の米を輸入することを拒否した歴史がある。遺伝子組み換え作物は安全なのかという疑問に加えて、トウモロコシ、大豆など、遺伝子組み換え作物は必然的なのか、それとも利益追求なのかという疑問もある。米国は洪水や干ばつが多発し、自然災害で農産物の収穫不足を頻繁に経験しているが、小麦やトウモロコシを輸入している国も多い。

遺伝子組み換え食品が安全であるかどうかは長い間重要な論争的課題になっている。有害であるとする科学的証拠がない、またはリスクは少ないと考える専門家は、一般の食品にも完全な安全が保障されているわけではないためラベル表示は不要であると主張している。一方、まだ試験や規制が不十分であるとして、懸念を示す科学者や専門家も多く存在する。一般の消費者にとって遺伝子組み換えは闇のような世界であり、一体何が安全で、何が疑わしいのかほとんど分からなくなっているような混沌の時代に生きている。しかし、 特許を得ることで最大限の利益を優先し、未承認の製品を無謀に市場に流入させようとしたモンサント社のような多国籍企業を放置しておく理由はない。このような企業が横行している限り、消費者は不安に陥るため法的責任に基づくラベル表示は必要であると思われるが、その是非は消費者の判断にも左右される。4月23日のラスムセンの世論調査によると73%の米国民は、連邦政府が遺伝子組み換え表示を義務づけることを支持している。

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