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別名「モンサント保護法令」と呼ばれ、3月26日にオバマ氏が署名したばかりで9月30日まで有効となっている農業者保証規定 (Farmer Assurance Provision)の撤廃運動も含めて、急速に遺伝子組み換え食品(GMF)に対する警戒心が国民や消費者団体に広がっている。オレゴン州で不認可の小麦が発見されたことや、サケの遺伝子組み換えの開発と認可に対して複数の学者がサケの遺伝子組み換えにはリスクが伴うとする研究結果を発表したことなどが一因であると思われる。

農業者保証規定は、種子生産者の要求に応じて、生産者が栽培を継続できるよう、農務長官の監督下で一時的な規制緩和を許可したものである。先週25日には、世界50カ国以上の430以上の都市で推定200万人が参加した大規模なデモが開催された。その目的は、 自由貿易と食品安全保障の下に、モンサント社のGMFを世界中に推進している米国に対する抗議であると言われている。世界の食糧危機と飢餓に戦うためには維持可能な農産物の生産は重要であるが、米国はあまりにも大胆に外国の政府に米国のGMFの受け入れを強制しているため、 世界中の国民に食品の選択を強制していると反発されている。

米国内では、GMFの安全性を懸念する風潮が最近強くなっている。特に、食品安全の研究組織などはGMFに敏感である。現在、このような組織が国民に奨励しない食品には、トウモロコシ、全ての大豆製品、人工甘味料、ハワイ産のパパイヤ、カノーラ油、綿油、牛乳、テンサイ、ズッキーニ、黄色のカボチャなどが含まれている。更に、GMFのカテゴリーが増える可能性があるものは魚類や肉類かもしれない。

5月29日には魚介類の遺伝子組み替えに反対するキャンペーンが展開された。食品安全センターCFS)によると、消費者、健康、食品の安全や漁業団体の30以上の連合組織は、米国で大手のスーパーであるターゲットやトレーダー.ジョーズなど他の主要なスーパーマーケットは、仮に政府がサケの遺伝子組み替えを認可しても販売しない公約をしたという。この新たなストアーの方針は、米国の小売業による持続可能な水産物を評価するグリーンピースによって発表されたものである。遺伝子組み替え魚類を販売しないと約束した食料品店は全米で 4,662店舗であり、これらを代表する小売業者は59社であるらしい。

CFSによると、サケの遺伝子組み替えの最終検討を行う目的で4月に一般からのコメントを受け付けたFDAに、これに反対する180万人の消費者のコメントが寄せられたという。大半のアメリカ人は遺伝子組み替えの魚類は食べないと宣言し、91%はFDAが市場参入を許可するべきではないと言っている。また、定期的に魚を食べている80%のアメリカ人にとって、そのような食習慣を維持することが重要または非常に重要であるという。CFSのキャンペーン責任者はこの遺伝子組み替えの魚は問題解決を装ったものであり、消費者、環境、本来のサケのために悪いことだと指摘している。 少なくとも他35種類の魚は現在、遺伝子組み替えの開発中であり、遺伝子組み替えサケが認可されても、ラベル表示は期待できないため、消費者は知る方法がないと指摘している。消費者は遺伝子組み替えの魚の販売を拒否する小売店に依存する以外に方法はないと指摘している。そのため、CFSは小売店が消費者の側に立つようプレッシャーをかけ続けると伝えている。 また、サケが認可され、市場参入した場合、他の魚類、牛、鶏、豚を含む動物の遺伝子組み替え肉の市場参入も促進されると予測し、このような市場の混乱を回避するため、30以上の連合組織がレストランや小売店に遺伝子組み替えの魚を購入したり販売したりしないよう呼びかけているという。

遺伝子組み替えサケの開発および市場参入計画は数年前から続いているが、FDAに対する消費者の反対表明があること、CFSのような消費者を保護する団体が草の根による反対運動を展開していること、ヨーロッパからの輸入食品をアピールし、遺伝子組み替え食品を販売しないことを宣伝して人気があるトレーダー.ジョーズや低価格を売り物にしている全国チェーン店大手のターゲットなどが、公式に遺伝子組み替えサケに反対いることなどが多大な影響力になっているようだ。更に、CFSによると、5月29日に複数の学者による研究結果が生物科学研究組織の『ロイヤル.ソサエティ』に報告されたという。これら複数の学者は遺伝子組み替えのサケは野生マスと雑種交配し、その繁殖も速く、野生郡を侵略するため生態的影響と潜在的なリスクは不明であると発表している。

ちょうど2年前の6月、下院議会は、FDAに遺伝子組み替えサケの承認を許可させない法案を通過したことがある。しかし、今年1月にはFDAの認可も近いことが噂されていたが、最近遺伝子組み替えサケの論争は再燃しているようだ。現在、米国の消費者が食べているサケのほとんどは、農園飼育サケと呼ばれ、南米のチリあたりから輸入され、ほとんど囲いのある水中で養殖され、バクテリアからサケを保護するため抗生物質の投与などが行われていると報告した学者もいるため、海洋環境問題の懸念がありそうだ。いずれにしても消費者は安全なサケを食べているのかどうか不透明である。

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