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共和党大学全国委員会(CRNC)は18歳から29歳までの若い世代を対象にした世論調査の結果報告を6月3日に発表した。その報告によると、この若い世代は様々な方面で、進歩的な政策を支持する傾向があることが分かった。2012年の大統領選ではこの調査対象の46%はオバマ氏が彼らの問題を理解している候補者であるとし、その意味ではミット.ロムニー氏の支持率は15.2%であった。また、若い世代は、共和党は「大きな政府」に対するこだわりと減税のみに集中していて、社会的に重要な問題である同性結婚や移民問題などの取り組みに消極的であるため、もっとオープンであるべきだと指摘した。

95ページの CRNCの調査は、政府は大きすぎるかという質問には当惑する傾向があり、大きな政府の意味を明確に理解している参加者は少なかったことを明らかにした。彼らにとっては政府のサイズは支出削減より重要ではないようである。政府のサイズを縮小することを最優先課題にする候補者に投票すると答えた率は61%であった。一方、政府の支出削減を最優先課題にする候補者に投票すると答えた率は67%であり、国の負債を減少することを最優先課題にする候補者に投票すると答えた率は77%であった。また、49%は軍縮を支持し35%が防衛費を抑え軍隊を縮小すべきだと考えている。一方、大きな防衛予算と強力な軍隊を支持した率はわずか17%である。

経済と雇用にたいする評価は民主党が16ポイント共和党を超過していて、 税制面や予算面でもリベラル傾向の若者が多いことが判明した。減税が雇用を創出すると考えている人たちは少なく、富裕層 への増税を必要だと考えている率は54%である。一方、全ての国民に減税するべきであると考えているのは31%であった。また法人税率が低ければ彼らの人生はもっと楽になると考える率はわずか34%であったが、小さなビジネスの法人税は低いほうが自分たちは仕事を得やすいと思う率は67%であった。58%の黒人、64%のヒスパニックを含めて、自分で事業を始めたいと考えている若者は45%で、起業家精神があることを示唆している。しかし、現在の経済状況では結婚して家庭を持つことは厳しいと考えていて、2007年からの経済不況に著しく影響を受けた世代として、その不況の原因を理解していることも判明した。79%は、米国の景気後退の主要因は銀行の不正住宅ローンの貸付制度であると答えている。また、72%は金融業界に対する規制緩和がリスクのある投資の原因になっていることを指摘した。

学生ローンについては、39%の学生はローンの負債があり、ピュー.リサーチ.センターの調査によると、平均的な学生ローンの負債額は26,682ドルであるという。若い時、学生ローンを利用したことがあるオバマ氏を含めて、民主党が学生ローンの危機に細かく対応していると評価している。また、健康保険の問題は国の経済や負債問題の次に重要な課題であり、多くの若者は国民の全てが健康保険を持っているべきだと考えていることが判明した。2012年のハーバード大学研究所の調査では、基本的な健康保険は全ての人の権利であり、お金がない人には 政府が提供すべきであると44%は答え、それに同意しなかったのは23%である。更に、エンタイトルメント.プログラムであるメディケアやメディケイドについては、2012年8月の調査で、58%は改革する方が彼らの将来のコスト負担は少ないと考えていたことが判明。しかし、2013年3月の調査では、メディケアおよび社会保障の改革は優先課題の一つであり、リーダーが取り組むべきであると答えた率はわずか21%であった。

また、社会面で代表的な移民問題は共和党にとって最重要課題であるが、この世代はほとんど移民問題に関心がないようである。移民問題が優先だと答えた率は2012年8月にはわずか3%であり、包括的移民改正法案が2〜3の最優先課題の一つとして考慮した率は2013年3月の調査では11%であった。しかし、不法移民に市民権の道を開いてあげるべきであると答えた率は35%で、合法的な道を開くべきであるが市民権を与えることには同意しないと答えたのは17%であった。一方、不法入国は法律違反として、強制送還または拘留するべきだと答えた率は19%である。また、この世代は雇用や経済に比較して、同性結婚問題は重要ではないと考えている傾向があるが、同性愛が道徳的に間違っているとは思わないことが判明した。44%は 同性結婚は合法的であるべきだとし、26%は州の判断に任せるべきだと答えた。一方、伝統的な男女間の結婚を支持した率は30%である。

この世代は気候変動や環境問題には関心が薄いものの、環境保護には価値を置いており、49%は環境保護を優先するべきであるとし、環境保護より経済を優先すべきだと答えたのは45%であった。しかし、環境保護を重視する傾向はあっても、気候変動やクリーン.エネルギーに関しては全てが積極的であるというわけでないようだ。気候変動は心配であるが最優先の課題ではないという意見は他の年齢層と差はないという。経済的負担がかかっても気候変動に政府は対処するべきであると答えた率は28%で、するべきではないと答えた率は26%、どちらでもないと答えた率は45%であった。

2001年の同時多発テロ後、米国がテロに対する戦争に突入した当時、彼らはまだ6歳から17歳前後であるが、この世代は先制攻撃的な軍事行動には懐疑的である。攻撃されてから報復するより、潜在的な敵国に対して、時には攻撃する必要があるとする意見に同意したのはわずか22%で、35%は反対し、42%は賛成でも反対でもないと答えた。外交政策に関しては、国際危機に直面したとき米国が率先すべきだと答えた率もわずか24%で、73%は国連および他の国にリードさせるべきだと答えた。この世代はイラクやアフガニスタン戦争には否定的なイメージを持っていて、これらの戦争が景気後退の一因になったと55%が思っているようだ。テロに関する米国の安全保障の問題は、政治家にとって2〜3の優先課題の一つであると考えている率はわずか17%であり、国防政策問題は若い人の心に最大のウェイトをしめる課題ではないことが分かった。

彼らのニュース源に関する質問では、少なくとも週に1回はフェイスブックにアクセスすると答えた率が最も多く58%であった。また、情報を消化する手段として行っている活動は、少なくとも週に1回 メールを送受信することであり、91%と最も高かった。また、69%は、最低1週間に1回はフェイスブックのコメントを読み、54%は投稿しているという。彼らはフェイスブックを通じて政治および社会的情報を得ていて、ソーシャル.メディア世代であることを浮き彫りにした。

結論として、CRNCの調査は、インターネットやインタビューを通して2012年8月及び2013年2月から3月に実施されたものである。若い世代の支持を得ることに苦戦している共和党が彼らの政治的な思想傾向を調査した主なねらいは、今後の重要な選挙の支持状況を予測するためである。対象となった18歳から29歳の世代は、教育費、医療費、失業など多大な経済的問題に直面していて政府のサイズの問題より、負債と支出削減を重視していることが明白になった。又、同性結婚、 移民問題などの社会問題にはリバラル思考であるため、この調査結果を通して、共和党は若い世代の有権者票を獲得するためには前回の選挙の時より「著しく異なるアプローチが必要である」と悟ったようである。支持を得るための主なアプローチは、(1)教育、健康保険、雇用問題など、この世代が最も影響を受けている経済問題に焦点をあてる。(2)負債の減少と支出削減は重要であるが、政府の縮小を強調した政策はこれらの有権者にはさほど効果がないことを認識する。(3)これらの世代が居る場所に行き、何か共有できるものを提供するなどである。特に、複数の重要な社会問題では若い有権者と古参の共和党議員との間には大きなギャップがあるため、若者の支持を得る政策を構築する必要があることを明白にした。多くの局面から若い世代の政治的な思想傾向を調査した共和党は、この調査結果を有効活用する努力を今日から始めると述べている。

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