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米国最高裁は今日、アリゾナ州の有権者ID法は非合法であると判定した。有権者は投票する前に市民であることを証明する必要がある、と義務づけたアリゾナ州の投票条件に対して、最高裁判事らは7対2の圧倒的な差で同州の有権者ID法を却下した。

投票登録する方法は、州や地方自治体によってその規定は異なるが、アリゾナ州も、投票登録は地元の車輛登録及び運転免許機関(DMV)で行うことが可能であるようだ。DMVでは、有権者は連邦様式の投票登録申請書を利用することが可能である。また、その連邦登録申請書には記入者がアメリカ市民であると記載する必要がある。これが投票のための証明になるはずであるが、アリゾナ州は、これでは不十分であるとして、投票の際には米国市民であることを証明するための別の有権者IDを要求していた。最高裁は、アリゾナ州のこの厳しい投票条件を否定し、投票の必要条件を超過しているとして憲法違反であると判定した。

最高裁の主張のポイントは、虚偽の記載事項に対して、連邦犯罪の処罰を規定した連邦投票登録申請書に、登録者は市民であると記載する必要があるため、この連邦登録申請書だけで十分であると判定したことである。しかし、この登録申請書に加えて、米国市民であることを証明する別の書類提出を義務づけたアリゾナ州の法律を、最高裁は連邦政府の権限を超過すると判断した。もし、連邦投票登録申請書だけでは不十分であるとアリゾナ州が主張するのなら、その登録申請書の様式を変更すればいいのであって、登録申請者は、偽証の罰を承知しているはずであるため、 この書類だけで十分であり、登録を妨げることは出来ないというのが、最高裁の大多数の判事の主張である。

一方、アリゾナ州は、本人が市民であると記載するだけでは証拠にはならないと主張し、別途書類の有権者IDを要求していた。米国で誕生した不法移民の子供は米国市民であるとする連邦政府の法律に基づき、投票登録は郵送でも可能な州がある。また、登録後は、特別な有権者IDを必要としない州もあるが、これらの州に比較してアリゾナ州は、少数派、高齢者、低所得者に余計な書類作業を要求し、投票を困難にする有権者抑圧法を制定していた。今回最高裁は、投票権の妨げとなるアリゾナ州の有権者ID法がいかに非民主的であるかを明らかにした壮快な判決を下したことになる。

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