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今月上院議会は66対27票で農業法案を通過させたが 、下院議会は昨日、コストが高いという理由で反対派が賛成派を圧倒的に超過し、195対234票の差で通過しなかった。反対した共和党議員は62名、民主党は25名である。

農業法案は1973年に開始し、5年毎に投票により更新されてきたが、40ぶりに初めて更新に失敗した。農業法案には、農産物プログラム、エネルギー、農産物市場の促進、食品と栄養プログラム、農業開発と研究、現金助成金などを含む10以上のプログラムで構成されていて、今回の法案には、約1兆ドルの支出が推定されていた。昨日下院議会は、2008年の農業法案の更新に失敗した為、下院の機能不全が指摘されている。

下院で通過しなかった理由は、 資金を利用して農業法案に反対している強力な圧力団体が存在していることや、多くの共和党議員がほとんど経費削減を強く打ち出しているためである。下院の大半の共和党議員は、貧困家庭のためのフード.スタンプ及び 食品と栄養プログラムなどに以前から反対していたため、コスト削減政策に固執していることが最大の要因である。上院で通過した農業法案には、現金助成金プログラムに対して現行法より予算を削減する案も含まれていたが、下院での通過拒否による更新の失敗は、今後、食品市場に多大な影響がでてくると思われる。

農業法案の一部である食品と栄養プログラムは、低所得者や貧困者に提供するフード.スタンプとも関連性がある。ミッシェル.オバマは、農務省の監督下で幾つかの栄養プログラムを推進し、ホワイトハウスで農作物を収穫し、数年前からホワイトハウスの近辺で、ファーマーズ.マーケット(FM)を支援している。 ホワイトハウスのFMではフード.スタンプを受理し、貧困者に農産物を無料で提供するプログラムがある。しかし最近は、 フード.スタンプ受益者に対して厳しい雇用条件案を提起している共和党議員もいるなど、フード.スタンプに抵抗を示す極右派の議員が増えている。農業法案の否定は、ミッシェルや他の農家が推進した善意の活動を著しく困難にするばかりか、農作物、牛乳など他の食品が値上がりする可能性が懸念されている。

下院議会で農業法案が通過しなかった事は一般的に予想外であり、この法案の支持を表明していた下院議長ジョン.ベイナーの指導力のなさと極右派の議員をコントロール出来ない統括能力の弱さが指摘されている。農業法案に関しても移民改正法案に関しても、ベイナーは先週楽観的な見解を示していたため、移民改正法案も農業法案と同じような運命をたどるのではないかと否定的な予測がなされている。 また、農業法案の否定は経費削減を根底にしているため、不法移民に市民権と永住権を与える移民改正法案はコストがかかると信じる議員に拒否される可能性が高い。

この農業法案の更新の失敗を受けて、多くの農業関係者が失望を表明している。この法案なしでは助成金を失うため、中西部の農家は死活問題に直面する可能性がある。特に、酪農生産者は牛乳生産の助成金が保証されていたため、最も打撃を受けると言われている。従って、乳製品の高騰は必然的である。また、中西部の農業地域は共和党を支持する農民が多いと言われているため、彼らにとっては一種の裏切り行為である。既に豊かな石油会社の助成金は停止せず、国民の全てが必要な農作物を生産する農業の助成金が失われる農業法案の拒否は、リーダーシップの弱体化を含めて、共和党にコントロールされている下院が既に機能不全に陥っていることを示唆している。

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