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スノーデンは、6月 23日に香港から脱出後、現在もまだモスクワのシエレメーチエヴォ国際空港のトランジット.エリア(乗り継ぎ場)に居るのではないかと言われている。その一方で、スノーデンの陰の協力者が多数の国に亡命申請をしていて、現在受け入れを表明しているのは、ベネズエラ、ニカラグア、ボルビアの3カ国である。これ以外に亡命を要請された多くの国は拒否しているため、スノーデンは行き詰まりの状態ではないかと思われる。

7月5日の『ロイター通信』によると、ベネズエラのニコラス.マドゥロは「エドワード.スノーデンに対する人道的亡命を受け入れる決心をした」とベネズエラの独立記念日の年事パーレードで語った。マドゥロはスノーデンについて「彼は、米国が世界をスパイしていることについて謀反の精神で真実を語った若者である」と述べた。ベネズエラの受け入れに対して、スノーデンがどのような応答をしているかは不明である。一方、ロシアは、スノーデンがトランジット.エリア滞在が長いにもかかわらず、ロシアに亡命を要請していないので苛立っているという。モスクワ当局は、モスクワでの滞在が長引けば長引くほどワシントンとの関係にダメージを与え、外交上のリスクは大きくなると懸念しているという。

スノーデンの内部告発行為は、世界の各方面にその多大なインパクトを与えていることは確実である。中国、ロシア、イラン、パキスタン、ブラジルなどもNSAの監視プログラムによるスパイ活動の対象になっていると報じられている。7月7日の『ロイター通信』によると、ブラジル政府は、ブラジル国民の電話通信もターゲットになっているとして、米国の監視プログラムに深い懸念を示しているという。また、米国政府に対して、ブラジル国民の電話やEメールをモニターしているという情報について、説明を要求することになると公表している。また、ジューネーブの国際電気通信連合のシステムも変えることを提案するつもりであるという。

このような状況下で、昨日、上院の外交政策担当である民主党議員ロバート.メネンデズは 、スノーデンの亡命受け入れを申し出る国に対して制裁することを提案している。また「スノーデンの亡命受け入れを表明しているような国は米国に敵対する一歩を踏み出している」として、米国はこれらの国に対して圧力をかける必要があると主張している。このような攻撃的な議員もいるが、そもそも、スノーデンの亡命受け入れを表明するような国は反米主義国である。しかし、米国に限らず、現実的にはフランス、イギリス、イスラエル、中国、ロシア、他多くの国がお互いに、ビジネスや外交政策の一環として相手国の情報を入手するため、 何らかのスパイ活動を行っていることは、 少なくとも100年は続いている歴史的な外交上の現実なのである。これを歴史的な観点から自然として受け入れるか、又は否定するかはその性質次第である。しかし 、現在、合憲性が疑問視されている NSA監視プログラムについては、世界の国民にその正当性を明確に知らせる必要があるかもしれない。

一方、スノーデンは、 雇用契約したスパイ会社に対して契約違反を犯していることは紛れも無い事実である。極秘の情報漏洩は、国際的にかなりのダメージを与えていると主張しているオバマ政権は、スノーデンを処罰したくてうずうずしている様子であるが、複数の人権保護団体は、スノーデンは告訴されるべきではないと表明している。7月2日、アムネスティ.インターナショナルは、「米国がスノーデンの亡命を妨げようとしていることは嘆かわしい」と述べ、スノーデンが米国に引き渡されると、危機に直面すると予測している。また、人権侵害に関する情報を告発したことで如何なる法律の下であろうと、誰も告訴されるべきではない」と述べている。

いずれにしても、スノーデンは約20カ国に亡命申請をしたと言われているが、亡命受け入れを表明した3カ国の中で、もっとも積極的であると思われるベネズエラは昨日最後のチャンスとして、スノーデンに亡命受け入れを提案しているようだ。ロシアも同様に最後のチャンスを呼びかけていると伝えられている。しかし、米国の同盟国または協力国は、スノーデンの亡命を阻害することもあり得る。8日の『ロイター通信』によると ボルビアは、フランス、ポルトガル、イタリア、スペインの大使館に対して、彼らがなぜ、先週大統領のエボ.モラレスの専用機がモスクワからスノーデンを乗せて飛び立ったと思ったのかその理由についての説明を求めた。これらの4カ国は、スノーデンの引き渡しを求めている米国政府を無視して、ボルビアのモラレス大統領の飛行機がスノーデンを乗せていると疑い、ボルビアに対して、彼らの領空上の飛行を禁止した。

スノーデンはまだモスクワのシエレメーチエヴォ国際空港のトランジット.エリアにいるのであれば、そろそろ、亡命受け入れ国の選択をしなくてはならない時がきている。しかし、大多数の国は亡命受け入れを拒否しているため、スノーデンの亡命国の選択には限界がある。また、ボルビアのように亡命援助の妨害に直面する可能性があり、スノーデンは山場を迎えた気配がある。

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