アメリカの最新課題 Contemporary American Issues © 2017 Yuko’s Blog. All Rights Reserved.  

昨年2月に26日、17歳の黒人少年トレイボァン.マーチンを射殺した被告ジョージ.ジマァマンの「世紀の裁判」と呼ばれた評決で、昨日6人の女性審判員が無実だと判定したため、ジマァマンは自由な身となった。当然、この判決に納得しない人達が多く存在するため、無罪判決を受けた ジマァマンが安堵するのは束の間で、今後も長期的な人種紛争に発展するのではないと思われる余波の兆候がすでに拡大している。

この6人の女性審判員うち5名は白人だったという。審判員らは、フロリダ州セミノール郡裁判所の女性判事に、終身刑の二級殺人より軽罪である30年の処刑の過失致死傷害も考慮の余地があることを提案されていたが、6人の審判員はこれらのいずれも無実であると決定した。6名が主張した無実の判決で最も決定的な要因は、7月10日法医学者が、マーチン遺体の痕跡から判断して、射殺されたとき、取っ組み合いの喧嘩でジマァマンに馬乗りになっていたのは、マーチンであったと推定したことである。また、当時ジマァマンの鼻や後頭部に多少なりとも負傷の痕跡があったため、17歳の少年が攻撃的であったと判断したものと思われる。判決を受けて、信じられない思いでいるのはマーチンの家族やジマァマンの有罪を願っていた人達ばかりではなく、政治家にも動揺を与えている。

この事件では人種問題はほとんど根底にないことが、特に、被告側の弁護士に頻繁に強調された。昨年3月、米国司法省は、「ジマァマンがマーチンの後をつけ、射殺した理由はマーチンが黒人だっかどうかを調査したが、その証拠は発見されなかった」と昨年7月にFBIが発表した背景があるためと思われる。しかし、『NBCニュース』によると、全米黒人地位向上協会(NAACP)の責任者は、昨日、「公民権の法的措置をさらに追求することも可能であるはずだ」と語った。実際、公民権運動のグループは司法省に対して、ジマァマンを公民権違反で告訴するよう求める抗議活動を開始した。黒人リーダー達は、人種問題が一切なかったとは信じていない。何しろ、目撃者が一人もいない夜起きた事件で、真実を知っているのは当事者2人だけであり、その内の一人は死亡している。

14日の『ワシントン.ポスト』によると、NAACPは米国司法省の司法長官エリック.ホルダーに対して、この判例に行動を取るよう要請するため請願書を回覧し始めたという。その請願書には「司法省が行動する時である」と記載され、最も基本的な公民権である生命の権利は、その夜、ジョージ.ジマァマンに冒涜され、トレイボァン.マーチンの生命は奪われたと述べている。 フロリダでは各地の通路で、 ジマァマンの無罪釈放を不正と呼び、正義を求める抗議活動が開始された。この抗議は、裁判システムの何かを変える必要があること、ボランティアの近隣監視プリグラムの一人の男性が銃を保持し、単に怪しいと思っただけで後を追い、 射殺するような結果になったシステムを指摘している。抗議者らは、この運動が全国に拡大することを緊急要請している。

14日の『AP通信』によると、司法省は、 連邦政府の検事がフロリダ州で現在無罪判決を受けたジマァマンの判例を公民権違反で告訴できるかどうかを検討していると述べたと言う。今日発表された司法省の声明は、司法省は公民権部門、FBI、および、連邦検事局が、フロリダ州の裁判から得た証拠と証言に加えて、連邦政府の調査中に発生する証拠を評価することを維持すると述べたという。政府は、経験のある検察官が証拠を検証し、違反があるかどうかを明白にすると伝えたようだ。

ジマァマン無罪の判決は、しばらくその余波が続くと思われる。14日の『CBSニュース』によると、民主党は、判決の結果を「正義の失策」であると呼び、オバマ氏は今日声明を発表し、この判例を「悲劇」であると述べた。この判例は、強い熱意を誘発したこと、判決をきっかけに、その熱意はさらに強くなることも分かっていると述べた。また、米国は法律国家であり、審判員が決めたとし、 今、 若い息子を失った両親が冷静な対応をしていることに敬意を払うよう全てのアメリカ人にお願いしたいと語った。大統領が冷静になることを呼びかけたにも関わらず、オバマ氏が、昨年3月、もし自分に息子がいたら、多分トレイボァン.マーチンのようであったかもしれないと述べたことを共和党は「大統領はこの事件を政治化している」と批判しているという。

今日、CBSの『フェイス.ザ.ネイション』に出演したジョージタウン大学のマイケル.ダイソン氏は、このケースは「最初から人種的なものが動機であった」と語り、ジマァマンの発言には黒人を指して「このような人達はいつも逃げている。彼らはいつも逃れている」と黒人を憎んでいたような発言があったと指摘した。また、「この特定の発言を推論するのにアインシュタインになる必要はない」と述べ、そのようなジマァマンの主張は、「彼が若い黒人に恐怖と疑いを持っていた」ことを示唆していると語った。実際、裁判中に公開されたジマァマンの発言には、黒人を指して、「このようなバカな連中はいつも逃れている」と、車から降りてマーチンの後をつける前に、電話で警察官に語ったことが判明している。しかし、どうしてジマァマンは、警察官のアドバイスに従わず、尾行したのか? どうして、17歳のマーチンと争う結果になったのか?  どうして、ジマァマンの証言には多くの嘘があることが文書で説明されたにも関わらず、6人の審判員は彼を無罪にしたのか、様々な角度から解明していない疑問が残っているのは確かである。

抗議活動は今日カリフォルニア州の複数の都市、ボストン、ニューヨークにも拡大しているため、更に拡大する気配がある。また、公民権運動の活動家やリーダ達は、この事件の背後には人種問題があるとし、この判決に強い疑いを抱いている。幕が閉じた裁判の後に 、米国にまだ残る人種問題の傷跡が再び開いたような余波が起きている。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。