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6 月27日に上院で通過した包括的移民改正法案は、その後下院議会で難航している。下院共和党議員らは上院法案の内容を協議することを避け、独自の法案を制定するため先週会議を開催した。上院では既に包括案を通過させている一方で、下院では、段階的で小刻みの法案を制定することを目指しているため、オバマ氏が署名する日が来るかどうか、ヒスパニック系の若い世代に懸念が広がっているようだ。

上院法案の柱になっている市民権および永住権を与える提案について、オバマ氏は1,100万人全ての不法移民を対象に、制定後13年間で市民権の道を開くことを目指している。一方、移民改正法案を支持する共和党議員は、幼少時に家族と共に入国した不法移民の子供だけに限定している。その理由は、意図的に不法入国した不法移民に恩赦を与える必要がないため、批判を避けることが可能であるからだ。この案は、ヒスパニック系有権者を意識している他の共和党議員にも考慮可能な案になりつつある。しかし、最近、ホワイトハウスのスポークスマン、ジェイ.カーニー氏は、最終的な法案はオバマ氏の原理に適合する必要があると述べている。

16日、ダラス、デンバー、ロスアンゼルス、ニューヨークとの中継によるスペイン語でのテレビ番組で、米国の価値と経済的利点から移民改正法案についての論議が行われた。移民改正法案をアピールするため、番組に出演したオバマ氏はインタビューで、「もし、議会が移民改正法案を制定しない場合、大統領令を行使して、1,100万人の不法移民に恩赦を与えることが出来るか」との質問を受けた。オバマ氏は、制定を達成するためには、出来る限りの努力をするが、移民の問題は法律の制定を通して解決することが重要であると述べ、基本的には大統領令を行使しない意図を表明した。更に、現在米国司法省は、地域で問題になっている不法移民犯罪者に焦点をあてていて、米国市民になる事を夢見ている真面目な若者や学生への対処は遅れがちになっていると語った。また、下院議会は上院で通過した包括的移民改正法案に取り組んでいない状況であるが、下院が制定する意思はないというような推測はしないと述べ、期待を表明した。

18日、保守派のニュース番組で代表的な『FOXニュース』によると、下院議会の共和党議員の間では1,100万人の不法移民をどうするかについて意見が 分かれている。しかし、下院議会も、幼少の頃米国に連れてこられた不法移民には、合法的地位を提供する用意があることだけは確かである。下院議長のジョン.ベイナー氏は、このような子供達は不法移民として扱われる責任がないため、事実、厳しい立場に置かれていると述べている。また、「多くのメンバーがこの問題は提起する必要があると感じていると思う」と語った。下院多数派のリーダーであるエリック.カンター氏および他複数の共和党議員もこのような立場の不法移民に市民権を与える法案制定に積極的である。 ベイナー氏は、このような仲間の動き次第で態度が変わる可能性が高い。しかし、下院議会のリーダーであるベイナーおよびカンター両氏が移民改正法案の制定に真剣に取り組む意思があれば、いずれ下院独自の法案は通過する可能性はある。

主に、共和党は市民権の道を恩赦(Amnesty)と呼んでいるが、オバマ氏が提案する市民権への道のりは、身元確認に合格し、罰金と税金を支払い、英語を学び、移民管理局で合法的に入国する人達の背後に並んで申請手続きを受けることである。従って、オバマ氏が1,100万人全ての不法移民を対象にしている理想論とは異なり、現実的には、様々な条件付きであるため、市民権を得ることは恩赦と言えるほど簡単なことではない。 いずれにしても、両院で別々に通過した法案は制定には至らないため、両院が一体となって妥協案を見いだしながら、統合した法案を制定する必要がある。両院の大多数が移民改正法案は必要であると同意すれば、誰に市民権を与えるか意見が分裂している点などを協議する必要がある。超党派によるフレキシブルな姿勢と発想で対応しない限り、移民改正法案がオバマ氏の在職中に制定される可能性はないと思われる。

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