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8月1日の今日、エドワード.スノーデンはロシアから正式に亡命認可を取得した。6月23日に香港を飛び立ってから約5週間滞在していたモスクワのシェレメチェボ空港のトランジット.エリアを同日去ったことが伝えられた。しかし、米国の複数の政治家はロシアの決断に対して、かなりの失望と怒りに満ちた穏やかならぬ反応を示している。また、スノーデンの亡命認可に関して、二国間の考え方に明白な相違があることが浮き彫りになった。

1日の『ワシントン.ポスト』によるとスノーデンは1年間の亡命許可を与えられ、木曜日の午後タクシーで空港を離れたが、何処に住むかは知らされていない。永久的な亡命申請は保留になっているが、彼は「ロシアの現実に慣れる時間が必要だ」とスノーデンの弁護士、アナトリ.クチュレナ氏は述べている。また、米国に在住する父親がスノーデンを訪問することも可能である。スノーデンの父ロン.スノーデン氏は火曜日、ワシントン.ポストのインタビューで、自分の息子がシェレメチェボ空港で立ち往生している期間、彼に会うことを切望していたが、米国当局は二人が会えることを保証しなかった為、FBIがモスクワ旅行をエスコートしてくれるという申し出を拒否したと伝えた。 また、 「もし、彼が米国に戻ってくれば、彼は恐ろしい処遇に直面する。彼はむさくるしい牢に投げ出され、話をすることは許可されない」とスノーデンの父親は心境を語った。モスクワ.カーネギー.センターの理事ドミトリ.トレニン氏は、「ロシアはスノーデンの安全を保証できるが、おそらく外国のメディアとの面談は禁止される」と述べた。

スノーデンの亡命許可に関して、米国当局とロシア当局との間で著しい見解の相違があることが明白になっている。米国当局はロシア当局に再三スノーデンを送還するよう要請したが、その要請を無視し、結果的にロシアはスノーデンの亡命を受け入れたため、かなり多くの政治家が失望を表明している。「スノーデンは米国の裁判所に属する人物であり、ロシアで亡命に価する自由人ではない」との反発もあるようだ。更に、「二国間の関係は逆行する」と表明している上層部の議員もいる。アリゾナ州の共和党議員ジョン.マケイン氏は、ロシアの行動は「不名誉であり、意図的に米国を恥ずかしめ、またアメリカ人を侮辱している」と述べた。また「プーチンのロシアと米国との関係を根本的に見直す時である」とし、「 今日のプーチンの行動を深刻な影響なしに放置することはできない」とかなりの怒りを露にしている。国務長官ジョン.ケリー氏は、ロシア当局は亡命者がトランジット.エリアに滞在することを妨害もせず、「国際協定に挑んでいた」とし「主権国家間には行動の基準があり一般的な法律がある。法規定の尊厳がある」と述べた。

一方、ロシア当局は、スノーデンの問題は、「米露間関係を悪化させるほど比較的顕著なケースではない」と判断している。また、ロシアの決定にホワイトハウスが反応する前のクレムリン当局の話では、オバマ氏が9月にモスクワを訪問する計画を中止するような兆候もないと見ている。ロシアのプーチン大統領は「スノーデンがロシアに滞在したいのであれば、米国にダメージを与える情報の漏洩を止めなくてはならない」とする条件があるため、「スノーデンを米国に引き渡す理由はない」と語っている。スノーデンはプーチンの忠告を受け入れ、政治活動を停止したことを明確に伝えている。

結論として、スノーデンはNSA監視プログラムの秘密を暴露した後、世界で最も注目され 、最も明白な敵と味方を作った人物となった。しかし、幸運にもこの5週間トランジット.エリアに滞在していた期間はスノーデンの支持者、人権団体、および「報道人がキャンプを張っていた」ため護衛されていた格好になり、突然忍び込んだ人物に逮捕されることも暴力に直面することもなかった。また、わずか1年間ではあるが望みどおり、正式にロシアの亡命認可も得た。ロシアのスポークスマンは先日、ロシアは「誰人も引き渡すことはしない」と宣言したため、とりあえず、永久亡命を保留し、1年間の亡命を許可したのではないかと推測する。当然、その決定の過程で、米国との関係、自国の利害などを楽観的に考慮し、しばらく様子を見るため 期限付きの亡命申請を許可したものと思われる。従って、1年後、スノーデンがロシアにとって価値のある人物と判断された場合、あるいはロシア人の勤勉な女性と結婚した場合、永住的な滞在の可能性はあり得る。何よりも重要な点は、ロシアは米国と犯罪人引き渡し条約を結んでいないため、スノーデンを引き渡す義務はない。ロシアの決定に対する米国の激怒は理解できるが、国務長官ケリー氏の声明はほとんどインパクトがない。また、米国は昨日、NSA監視プログラムの機密を解除し、米国政府自体が透明性の必要性を認めたばかりである。とは言っても、スノーデンの契約違反、連邦政府所有の情報の窃盗、及びスパイ容疑が晴れた訳でない。しかし、所在が明白であった5週間も逮捕できなかった米国当局が、今日広大なロシアに姿を隠したスノーデンに苛立ちを表明しても手遅れである。

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