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オバマ大統領は先月24日、イリノイ州のノックス大学で、中産階級の経済向上を目指す演説を行い、その中で、現在の最低賃金は時代にそぐわないため上げる必要があることを強調した。最近、最低賃金上昇を要求する労働者の声は高まり、先週は全国各地でデモ抗議が開催された。

8月5日の『AP通信』によると、ニューヨーク、シカゴ、デトロイトなど7つの大都市では、マクドナルド、ウエンディーズ、バーガーキングなどのファーストフード.レストランの労働者が最低賃金の$7.25から$15に上げることを要求するデモ抗議を開始した。セントルイス、ミルウオーキー、ミシンガンなどでは2009年に最後の賃上げがあった連邦政府の最低賃金を上げるための抗議があった。100人の経済学者らは$10.50に時給を上げるフロリダ州の議員主催の法案を支持する請願書に署名した。レストラン業界は$15の時給はビジネスの閉鎖と雇用減少につながると主張している。

業界から幾らかの資金提供を受けている雇用政策研究所は、先週USA Todayに1ページの賃金値上げの潜在的結果を警告する記事を掲載した。それによると、賃金値上げ要求はタッチ.スクリーンの注文によるオートメションに切り替えるしか方法がなくなると反論したという。従ってゆっくりではあるが、経済が着実に伸びている一方で、まだ1,150万人が失業している時に、ほぼ大不況の水準の2倍の最低賃金を要求することを議会がどのように承認する可能性があるかを問い、このような抗議活動は良い結果をもたらすとは言えないと指摘したという。また、全米レストラン協会の副社長は、賃金の抗議活動は厳しい利益で運営している企業を見くびるキャンペーンであると批判している。賃金を2倍にすることは確実に新たな雇用創出に影響を及ぼすだろうと述べ、失業率が既に二桁の幾つかの地域では、特に若い人達に被害をもたらす恐れがあるとコメントしているという。幾つかのファーストフード会社は、労働者の権利を尊重すると言って抗議者に対応し、その中には彼らの財務上の葛藤について公的に話をするためメディアを利用するケースもあったという。

一方、ミネソタ州の民主党議員キース.エリソン氏は、彼らの抗議活動は、長時間勤務でありながら十分な収入がなく生存が厳しい労働者にアピールしているとし、「生存可能な賃金は本質的な要素である」と反論している。また、「これらの産業は収益性のビジネスであり、賃金を上げる余裕があることを知っている」とし、賃金の上昇は個人の家計を安定させるばかりでなく、「国家予算にとっても良いことである」と述べている。エリソン氏の地方幹部会は今年の夏、ファーストフードおよび他の低賃金の企業の労働者と提携して「アメリカの給料を上げる」全国キャンペーンを開始した。エリソン氏は「共和党にコントロールされている下院の抵抗に屈しない」と語っているという。また、人々が提唱すれば、不可能を可能にすることを思い出してほしいと述べ「不可能と思えた人種隔離政策は1955年に終った」と語った。従って、希望を貫き通し「押し続けることが勝つ方法である」と述べた。

マサチューセッシ州クラーク大学の労使関係の教授ゲイリー.チァイソン氏は電子メールで「勝者があるとすれば、それは労働組合であると思う」と述べ、全国的な組合組織はこのキャンペーンのために資金を提供し、メンバーを支持し、主催者を訓練するなどの支援をすると述べた。また、これらの抗議活動は、熟練度の低いパートタイムの労働者や移民などのために労働組合が代弁することをまだアピールできると述べている。

最低賃金の戦いはファーストフード業界で特に目立っている。この業界は、飲食産業として近年雇用を増大している分野でもある。一般的には、雇用創出を達成している業界は需要が高いためである。従って賃金は、需要を基本に決めるべきであるが、その点が改善されていないようである。また、最高経営責任者(CEO)と労働者との賃金格差が大きすぎるため、紛争が絶えないと思われる。総体的に、 企業のCEOは労働者の数百倍以上の収入を得ていることは知られている。2012年4月21の『ビジネス.インサイダー』によると、S&P500の平均的なCEOの年収は平均1,290ドルであり、平均的な労働者より 380倍以上多いことが判明している。2013年 1月1日に発表された労働省の統計によると、米国の最も多くの州で採用している最低賃金は、連邦政府の規定と同じ$7.25であり、最も低い州はジョージア州の$5.15で、最も高い州はワシントン州の$9.19である。

ファーストフードの労働者が最低賃金$7.25から$15に上げる事を要求しているポイントは、人間として最低限の生活を営むためであり、これを「生活賃金」と呼ぶ。週に40時間、年間2000時間を基本にした場合の彼らの年収はわずか$14,500である。$15で年間$30,000になるため、何とか家族4人が食べていける程度である。複数の共和党議員は、この年間$14,500は10代の駆出しの給与だと言っているが、それは誤認識であり、現実的には多くの成人および既婚者が多くの業界で採用しているこの最低レベルの賃金に葛藤している。 連邦政府および州政府が最低賃金を$15に上げる法律を制定することが、彼らを救う方法としては最も有効であると思われるが、大半の共和党議員はそのような提案に同意していない。

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