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2010年 3月にオバマ大統領が署名したオバマケア(The Affordable Care Act, ACA)の法律に従って、来年1月から50名以上の従業員を抱える雇用主を除いて、全てのビジネスの経営者および個人は 医療保険に加入しなくてはならない。ACAが制定された2010年以降、議会はある一定の予算をACAに導入してきたが、今年は、2014年の強制加入が始まる前にこの資金導入を阻止する動きが強まり、数ヶ月前から一部の共和党議員は政府を封鎖すると脅している。これも共和党内部で分裂を強めている一因でもある。

先月、ユタ州出身の共和党議員マイク.リー氏は上院多数のリーダー、ハリー.リード氏にACA の融資には投票しない。経済が回復するまで、 資金導入を停止しない場合、政府閉鎖の危機があるとする手紙を送った。リー氏に同意し、その手紙に署名したのは、2016年の大統領選に出馬する可能性があるフロリダ州出身のマルコ.ルビオ、ケンタッキー出身のランド.ポール、テキサス出身のテッド.クルーズなど主な議員を含む合計11名の議員がこの手紙に署名した。以後彼らは、機会があるごとに政府を閉鎖すると脅かし、下院議長のジョン.ベイナー氏や下院多数派のリーダー、エリック.カンター氏にも彼らの主張に同意するよう要請している。リー氏や彼の同盟者は、経済状況が低迷している期間は少なくとも経済が回復するまでACAの融資を停止するべきであると主張している。これに同調して、ルビオ氏は「オバマケアに融資を停止しなければ短期支出計画には投票しない」と公表した。テッド.クルーズは、オバマ大統領や上院のリーダーがその動きを阻止するなら政府を機能停止させるとし、これを避けたかったら、他の民主党も融資の停止に投票する必要があると述べている。

他の共和党議員らは、非現実的で達成不可能な目標であると反論している。また「不正直で、聞いた事も無いような愚かな考えだ」と鋭く批判した共和党議員もいる。昨年6月28日、最高裁が医療保険改正法( オバマケアまたはACA )の 「強制加入は合法的である」と判定した後、多くの州でACAの任意拡大部分であるメディケイドを拡大した州も増えたため、冷静な見方をする共和党議員は、「市場志向のACAが法として存在しているかぎり融資停止は不可能である」と指摘する議員もいる。オバマケアに関しても、共和党内での意見は著しく異なっている。9日の『ナショナル.ジャーナル.オンライン』によると、カンター氏は、ACAの融資停止を可能にするには、上院の投票で60票、および下院で218票が必要であると語った。上院で通過するためには14人の民主党議員が共和党に同意する必要があるが、そのような民主党議員がいるとは思わないと述べ、燃えている炎に水をかけるようなコメントを公表した。

ACAの最も厄介な問題は、規定条項の書類は莫大な量であり、著しく複雑であることだ。従って、最初から医療改正法案に反対していたような議員はその書類を読んで理解しようとしないため、誤認識が目立つことである。最大の苦情は政府と個人に負担が増えるということである。しかし、それは誤りである。議会予算局(CBO)によると、今年5月15日に同機関が下院予算委員長のポール.ライアンに宛てた手紙によると、ACA規定に基づく保険支出を消滅させた場合の純貯蓄は、他の支出の増加と歳入減少によりそのバランスは相殺されるどころか赤字が増えると指摘している。CBOと税制合同委員会(JCT)の推定によると、ACAを撤廃した場合、支出と歳入に直接的な影響があるため、推定2013年から2022年の期間に予算赤字が$1,090億増大する。また、ホワイト.ハウスのHPはACAのコストは安くならないとの「作り話」に対して「ACAのコストは安くなる」と反論し、あらゆる角度からコストを下げることがこの法の意義であるため、CBOは今期10年間で赤字を$2,100億減少し、更に次の10年間で$1兆以上減少させると予測している。またACAの導入前に比較すると、4人家族の所帯は 2014年には年間$2,300ドル減少させると報告している。

ACAはビジネスに負担をかけるというご認識に対しても「ビジネスの負担にはならない」とその真実を数値で説明している。ホワイトハウスによると、 ACAは小さなビジネスは4%までの節約が可能であり、大きなビジネスの雇用主は3%節約できるとCBOは説明している。また、従業員1人あたり年間に$2,000安くなるため、従業員が多ければ多いほど節約額は増加すると報告している。また以前、医療改正法案は「政府が医療保険を乗っ取る」とティパーティのメンバーが噂を広めたが「ACAは医療保険を支配しない」と反論し、人を対象にしているのであって医療保険会社や政府ではないと述べている。また「事業主ベースの医療保険市場を強化し、画期的な消費者保護を導入することで消費者にとって公正な市場にする」ことを目指していると説明。

オバマケアの資金に関する政府閉鎖の脅しは、少なくとも9月下旬までは続くと思われるが、オバマ氏は9日の大統領記者会見で、10月1日にオバマ氏が署名しなくてはならないACAの融資導入の決定で、一部の共和党議員がACAの資金停止または政府の閉鎖を主張していることを「悪い考えだ」と叱責した。また、オバマケアにも改善する点はあるが、 現在定着してきたACAより無理のない価格で全ての国民に提供できる別の選択肢を彼らは提示していないと指摘した。2014年から医療保険の強制加入が効力を発揮するため、国民全員が医療保険に加入すれば、需要と供給の市場原理から、医療保険のコストはかなり下がることが予測されているため、そこにACAの意義があると思われる。しかし、一部の共和党議員は、より優れた方法を討議するどころか、オバマケアを盾に政府を閉鎖すると脅かしている。

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