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米国司法省の司法長官エリック.ホルダー氏は 12日に開催された米国法曹協会の年次総会で、 1878年に創設された米国法曹協会は、憲法の平等と正義の精神に基づいて、米国の法律を今日まで更新し遵守してきたことを冒頭で語った。基本的には米国の法システム、特に薬物犯罪に関して、経済の合理性と道義的な理由により変革する必要があることを語った。

ホルダー氏は、米国司法省の政策を変更する計画があると語り、大規模の犯罪組織、麻薬密売組織、およびギャングなどに関与していない低レベルで非暴力的な薬物犯罪者に対する実刑判決を減少させる方針を発表した。現在、米国の人口は1980年以来3分の1増加している一方で 、連邦刑務所人口はほぼ800%と驚異的に増加している。米国の人口は世界の人口の5%を占めているにすぎないが、米国は世界のほぼ4分の1の囚人を投獄している。また、連邦刑務所には 219,000万人が受刑中であり、そのほぼ半分は薬物関連の違反者である。連邦刑務所はすでに収容範囲の40%を超過している現状であるため、低レベルの薬物違反の犯罪者の刑罪を軽減することで、不必要に長過ぎる服役のため、刑務所が混雑している現状を変革する必要があると述べている。

司法省の目標は、薬物保持量の記録など事務的プロセスを省略化し、 犯罪者の収容にかかる経費削減などを含め、連邦及び州レベルでの合理化および簡素化を目指すことで納税者の負担を軽減することである。ホルダー氏は、犯罪者に対する投獄は法の基本であるが、連邦、州、地方レベルで刑務所の投獄は非効率的で維持不可能となっているとし、 2010年だけでも投獄した囚人の経費は800億ドルで経済的負担は著しいと述べている。ホルダー氏は 「今日、貧困、犯罪、投獄の悪循環で適切な法的理由もなく、あまりにも多くのアメリカ人があまりにも多くの刑務所に閉じ込められている」と語った。

犯罪人口を減少させるため、司法省が考慮しているのは暴力的な犯罪を犯していない人物、公共の安全性を脅かす危険性がない人物、そのような人物で医療の必要性がある人物、安全性の面で慎重に検討した結果、すでに比較的長い期間真面目に服役してきた人物を釈放することである。これは、限られた資源を利用する上で公正で賢明なやり方であるとホルダー氏は主張している。また、特にリスクのある若い世代を救うため、投獄の代替えプログラムとして、 治療法、監督、科学的根拠に基づいて、地域サービスが共有できる薬物常用者の治療に取り組む効率的で優れた方法などもあると説明。薬物犯罪者の投獄と再投獄を防ぐことで、個人の人生を救い、納税者の負担を減少し、地域を安全にするとのビジョンに基づいている。

このような法制度の改正の為の投資により、事実、すでに州レベルで実施し成功している例があると説明している。非暴力的で軽い薬物違反者に対する刑務所人口を減少させているのはテキサス州が仮釈放の政策をとり、昨年だけでも5,000以上の受刑者の刑務所人口を減少させた。アーカンソー州も昨年同じような措置を導入し、1,400人以上の減少に成功。ジョージア、ノース.キャロライナ、オハイヨ、ペンシルベニア、ハワイは重大な改革のための再投資により、公共安全を向上させ貴重な資源を節減している。これらの例はすべて、刑務所人口を減少させたことで公共を危険に晒すことはなく、刑務所人口が減少したと同時に再犯罪率が低下している。 ケンタッキー州では、地域の監督と治療法に基づく薬物違反者の刑務所代替えプログラムを利用した場合、今後10年間で3,000以上の刑務所人口を減らすことで、推定4億ドル以上を節約できると予測している。

要するに、ホルダー氏は比較的低レベルの非暴力的な犯罪者に対して、最低限の服役または投獄停止を義務化させる前例のない画期的なビジョンを発表した。重要な点は、軽犯罪に対して不条理な長期実刑判決のケースを修正するなど、人道的な側面も強調されていることである。また、犯罪に対する正義と地域の安全性のバランスも考慮しながら司法システムを向上させるため、現行の法システムおよび法務執行を包括的に見直す必要があると述べている。また、薬物取締法違反者に対して監督、治療、科学的研究の側面から企画された刑務所大替えプログラムを利用することで、人道的な側面、国および地方の財政的メリットなど肯定的な局面を強調している。基本的には、犯罪には厳しく対抗し、犯罪を予防する努力は変えてはならないが、国を安全にするため盲目的に起訴し投獄することより、賢く効率的な方法で薬物犯罪には対処する必要があると述べている。

保守派は一般的に犯罪に厳しく、リベラル派は犯罪に甘いと言われる風潮が過去にあったため、多くの保守派の州で、このような政策を支持していることは、薬物犯罪の取り締まりに厳しかった過去の連邦政府の方針を逆転させることを示唆している。特に、同じ質の犯罪に対して、白人と黒人の刑罰は不平等であることが近年報告されているため、この点の見直しが提案されている点において法システムが改善される可能性がある。特に、軽犯罪であっても服役歴がある人物は、就職、結婚、住宅購入、ローンの申請など全てに不利である。すでに一部の州で実施または考慮されている刑務所人口を減少する計画は経費削減のメリットがあるため、連邦レベルでも拡大することが強調されている。

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