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ノース.キャロライナ州の知事パット.マクローリィ氏は、12日論争的な有権者ID法に署名した。7月23日に法案が通過して以来、同州の法案は、全米で最も厳しく最悪であるとして論争的であったため、少数派グループや民主党などは知事の署名に対して強烈な批判を浴びせた。

昨日、同州の知事マクローリィ氏が署名した有権者ID法は、少数派に有利であった従来の規定がほとんど抹消され、更に身元確認要項が厳しくなった。12日のワシントン.ポストによるとノース.キャロライナ州の投票規定条項は、概略下記の通りである。

(1)市民であることを証明する政府発行の写真付きIDを提示すること。(2)近くの選挙区で投票するのではなく、許可された市民は特定の場所で投票することを定めた。(3)選挙日に18歳になる若い人達が事前に登録することで投票できるシステムを排除した。従って、18歳の誕生日が近い世代の選挙登録を禁止することで、この世代の投票を阻止している。(4)投票日に選挙登録できるシステムを排除した。(5)17日前から事前投票が可能であった従来の規定を10日間に減少させた。(6)貧困者や少数派が利用する傾向が高い運転免許事務所での選挙登録システムを禁止した。

これを受けて、少数派グループや民主党などは、ノース.キャロライナの有権者ID法は若い世代を選挙から排除し、加えて、黒人、少数派に著しく不利であると批判した。 強烈な批判者は、マクローリィ氏は超保守派であり、少数派の投票権を奪うことが目的であると指摘している。このような批判に対し、 マクローリィ氏は同州には過去に不正投票があったとし、早期投票期間の縮小は予算削減のためであると公的に反論した。また、「この法は、我々の州が他の大多数の健全な州と足並みを揃えることを可能にする。この常識的で安全な保護対策はありふれたことである」と語った。

厳しい有権者ID法を定めたノース.キャロライナ州の有権者ID法制定の例は、米国最高裁が6月25日に1965年制定の投票権法をめぐる判決でこの法の第4項(詳細は6月26日投稿の「投票権をめぐる米国最高裁の判決は共和党に有利」を参照 )を却下したための必然的結果であると思われる。同州は、投票権法第4項に定められた連邦政府の監督下にあった州ではないが、この判決後、投票資格の規定は全米で厳格になっている風潮が進行している。米国司法省の司法長官エリック.ホルダー氏は、7月25日、意図的な人種差別があるとして、テキサス州の投票法(有権者ID法)に挑戦したが、 各州は任意の投票法を定めることが可能である事を示唆した最高裁の決定には多大な影響力があるようだ。従って、現実的には、少数派に不利な有権者ID法を共和党支持州が制定する動きをオバマ政権が抑制することは困難であると思われる。

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