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1959年のゲリー市               放棄された家

インディアナ州のゲリー市は半世紀前に比較すると、現在50%以上の人口が減少し、荒廃が激しく、惨めなほど廃墟化した地域である。現在、約三分の一は空き家であり、放棄された家は推定10,000戸もある。先月米史上最大の破産宣告をしたデトロイトと異なり、インディアナ州は破産宣告を禁じているため、市を復興させる計画に基づいて、一定の条件付きで放棄された家を、なんと1ドルで販売している。

14日のニューヨーク.タイムス によると、同市当局は、地域の廃墟化を防ぐため、6月にユニークなプログラムを公表した。これらの家の幾つかはいずれ取り壊されるが、ほとんど、税金さえ支払われていない過剰な数の空き家を減少させるため、現実的な方法を模索していて、幾つかの家を「朝のコーヒ代より安い」1ドルで販売することにしたと述べている。 購入資格者の条件は、年間の個人最低収入が$35,250あり、半年以内に不動産の価値を上げる財務能力のある同市の住人に1ドルで販売し、購入者は、市が所有権を与える前の5年間はその家に住むことを条件にしている。このプログラムの発表後、初日に400人の申し込みがあったという。ゲリー市は、広範な事前選出のプロセス終了後、最終的に来月、25名中12名を抽選で選ぶことになっている。この計画は開始されたばかりであるため、今後暫く続くと思われる。

ゲリー市の女性市長であるカレン.フリーマン.ウイルソン氏は「年間50戸を売却することが目標」であり「納税者として貢献する人達を獲得しようとしている」とタイムス紙に語った。また、彼女は「彼らは町から出ていくグループの一部であり得るし、または投資するグループの一部である」と述べている。全米州議委員会によると、インディアナ州は市に破産宣告することを許可しない21州中の1州であるという。デトロイトの負債$180億に比較するとゲリー市の負債は$840万で小さいが、製造工場の崩壊による工業都市衰退のパターンは驚くほど類似しているという。破産宣告を禁止されているゲリー市の復興の努力は、全米に注目されている。

シカゴにかなり近いゲリー市は、1960年代、人口180,000人の活気にあふれた鋼生産都市であったが、現在約80,000人に減少した。 製造工場の閉鎖、人種摩擦などが原因で郊外から脱出する人達が増え、その波動が広がった。タイムス紙によると、人口の85%は黒人であるゲリー市は、失業率、犯罪率が高く、インフラ整備に投資する資源もほとんどなく衰退し続けた。道路修復工事、除雪作業、その他の公共サービスに従事する市の公共メンテナンス部門の労働者は2006年の100人から17人に減少した。1ドルの家を購入することを考えている50歳の女性グッドマンさんは、長期的なゲリー市の住人である。彼女は、13年間、2つベッドルームがある家を賃貸し、2年前から負傷し失業している弟とその息子3人で暮らしている。その弟の$35,000の医療費を援助するため、1ドルの家は、税金と光熱費を支払うだけだから「アメリカン.ドリームです」と語ったという。

ゲリー市はどうして人口が極減したのか? 住人は何処に移転したのか? なぜこのような市の荒廃が進んでいるのか? また、市の復興の努力は成功するのか? 先月18 日に破産宣告したミシガン州のデトロイトも、1960年代には 自動車産業の都市として世界的に豊かな都市であったが、現在60%の子供達は貧困である。デトロイトやゲリー市のように、50年前は活況であった工業都市の衰退は、経済的、政治的、歴史的な因果関係の観点から多くの疑問を投げかけているが、中産階級が仕事を失ったことが最も顕著な原因であることを教えている。廃墟化した地域の1 ドルの家を購入することがアメリカン.ドリームなのか考えさせられる事例である。

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