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連邦政府の戦争情報に関する史上最大の内部告発者と言われている元米陸軍上等兵ブラドリィ.マンニングの刑の宣告は21日東部時間午前11時頃行われた。予想されていた25年以下の刑を超過した35年の判決が言い渡されたため、これに対する反応は手厳しい。

イラクとアフガニスタン戦争に関する700,000の米史上最大の情報をウキリークスに漏洩したマンニング( 7月30日投稿の「ブラドリィ.マンニングの判決について」をご参照下さい)は米国のスパイ法違反を含め22の過失のうち20を有罪と判定された。これに対する刑罰は35年間であるが、宣告を受けた瞬間ほとんど無表情であったマンニングは「この決定をした時、人を傷つけるつもりはなく、人の役に立つと思っていた」と語り、自分の行動が政府に与えた損失について謝罪した。この刑の宣告に対する人権保護団体や支持者の反応は、「マンニングは最初から告訴されるべきではない」ため「35年は長過ぎる」と指摘している。市民を殺害する人物が無罪を受ける判例もあるため、マンニングに対して厳し過ぎるとし、司法システムは著しく矛盾していると失望を表明している。

法律上、マンニングは今後同じ罪を犯さないと認められた場合、35年間の三分の一から2010年5月に逮捕され今日まで拘留されていた3年3ヶ月を差し引いた年数後に仮釈放されることになっている。従って、マンニングはまだ25歳であるため、弁護側が望んでいた「マンニングの青春をすり減らすことがない刑務」の実現に近い状況で刑務所から出る可能性がある。これは弁護側にとっても勝利であると言われているが、複数の人権保護団体は、今日の刑の宣告に著しい反発を表明している。

アムネスティ.インターナショナルはこの判決後、オバマ大統領にマンニングの刑罰を軽減するよう要請した。アムネスティの国際法&政策局長のウィドニイ.ブラウン氏はその理由について、「ブラドリィ.マンニングは戦争のコスト、特にイラクとアフガニスタンでの米軍の行動に関して、有意義な討論の口火を切る事が出来るとの信念に基づいた行動であった」と述べた。また「彼の告発は戦場での拘留と国民が知らなかったジャーナリストや米国のヘリコプター攻撃によって民間人が殺害された情報および国民が吟味すべき情報が含まれていた。彼を何十年も刑務所に閉じ込める代わりに、米国政府は、反テロ戦争の名の下に重大な人権侵害を犯した政府の職員を調査し、正義をもたらす努力をするべきである」と厳しい批判をしている。更に「マンニングはすでに情報を漏洩した事の有罪を認めている。従って、米国はスパイ法の下で彼を起訴し続け、政府の悪行を公開する人物に対して、厳しい罪を科すことを警告していると判断できる。このケースは、米国の時代遅れのスパイ法を改革し、国民が知る権利のある情報を暴露する人物の保護を強化することが緊急に必要であることを示している」と指摘している。

法律専門家は、35年は並はずれの長い刑罰であるとみているが、軍事裁判での刑の宣告は、政府機密情報を漏洩する者は刑罰が重いことを理解させるための見せしめであると人権保護団体や複数の法律家は見ている。検事側はマンニングがウキリークスに漏洩したヘリコプター攻撃などの情報はアルカイダが利用し、ある一部はオサマ.ビンラディンが米軍の特殊部隊に殺害された後、ビンラディンの隠れ家で発見されたため、ビンラディンにも知られていたと主張している。また政府側の証言者は、政府極秘情報の漏洩は、恥を公開したとして 、複数の大使の解任または追放の結果に至った例もあるとして、米国の外交関係にも著しい影響を与えたとマンニングを責めている。オバマ政権は、内部告発者に対して、引き続きブッシュ政権と同じく厳しい対応を求めているため、アムネスティの主張を受け入れるかどうか疑問である。いずれにしても、マンニングに対して35年の刑を宣告した当局への批判は辛辣である。

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